雨音があまりにも大きかったのでどれほど雨が降っているのだろうと外を眺めた。 目の前にあった広葉樹の木は、わりと大きな木で、上部は雨に打たれて葉が揺れていたが、下部は上の葉が守ってくれているのか揺れていなかった。だが、下部のとある枝だけは上の葉に守られず、雨がばしばし当たって揺れていた。どうやらその枝は横に飛び出し過ぎているようだった。 先日、庭木を剪定している場面を見かけた。ぴょんぴょん跳ねたように生えていた枝は丸く切り取られ、足並み揃って今から行進でもはじめるような新しい顔になっていた。 綺麗にそろえようと考えると飛び出しているものは切り落としていく。 はみ出したものは何にも守られず雨に打たれていく。 それが幸か不幸かなんて誰にもわからないし、その日の気分でさえ捉え方は変わる。 ただ、日常は流れていくだけだ。 『おるもすと』を読んだ。 起伏の少ない物語は「はじまり」や「おわり」などという