「螺旋じかけの海 音喜多生体奇学研究所」はアフタヌーンに不定期連載中の漫画で、先月、第一巻が出ました。この漫画は他の動物の遺伝子が混ざった人間たちが住んでいる、とある街が舞台となっています。そこでは、それらの人たちが保持する他の動物の遺伝子が、ふとしたきっかけで発現してしまったりするのです。この漫画のキモの部分は、「ヒト種優生保護法」により、15%以上の割合で他の生物の遺伝子が混入した人間は、もはや人間としてみなされず、ただの動物として、人権が剥奪されてしまうという部分にあります。遺伝子を基準として人間と人間以外の境界に位置する人たちが多数存在するその場所では、「では人間とは何なのか?」ということが現実の社会よりもよりいっそう具体的に問われることとなります。 この漫画の主人公、音喜多は、その身に通常では考えられないほど多くの他の動物の遺伝子を持った男です。彼は常に、ふとしたきっかけで体の一