篠房六郎「おやすみシェヘラザード」1巻 寝ても覚めても 小学館 ビッグスピリッツコミックス アサイ「木根さんの1人でキネマ」のヒットがきっかけなのだろうか、映画を語るマンガがここ最近目立っているように思える。映画もマンガも好きな私にとって、とても好ましい状況ではあるが、この映画の語り方というものは、マンガの語り方が様々あるのと同様、作品によってその色は異なる。「木根さん」の場合は一つの映画作品をきっかけに数人のキャラクターを巻き込んだ映画の知識や観た観ないによるマウント合戦がメインとも言えるし、連載は終わってしまったが安田剛助「私と彼女のお泊まり映画」の場合は映画の感想を通して主人公二人の友愛が深まっていく様子を丁寧に描き、麻生みこと「アレンとドラン」であれば映画はあくまでも主人公が出会う人々をキャラ付けする小道具の一つとなっている(だからといって映画愛がとても感じられる作品だ)。では篠房