コトヤマ先生の、現在絶賛連載中の『よふかしのうた』。 本作は言ってみれば、日常に馴染めなくなってしまった少年が、そんな日常を気楽に無視して過ごす吸血鬼の少女と出会う、ボーイ・ミーツ・ガール。ささいなことをきっかけに、学校へ通うことができなくなった中学生2年生・夜守コウが、吸血鬼ナズナと出会い、彼女が提示した価値観に感銘を受けて、その価値観でもって生きていくために、吸血鬼になろうとする物語です。 最新刊である3巻で新たにナズナの同族、すなわち別の吸血鬼たちが登場したことで、ナズナの異端ぶりや、本来吸血鬼にとって吸血行為はどのような意味をもつものなのか、ということなどが明らかになりました。物語の幅が広がりましたね。 で、この幅が広がったタイミングで、改めて本作の構造や登場人物のあり方を整理してみたくなりした。まず本稿では、そもそものコウの行動原理を追ってみようと思います。 上でも書いたように、