超高齢化社会を迎え、終末期のケアは病院から在宅の時代へ。そこで「地域医療」と「訪問看護師」の可能性を考えよう、というフォーラム「看護師が社会を変える」(笹川記念保健協力財団主催)を取材してきました。 団塊世代が一斉に75歳以上を迎える「2025年問題」 今から11年後、団塊世代が75歳を迎え、一斉に「後期高齢者」となります。いわゆる「2025年問題」です。75歳以上になると元気な人の割合がぐっと減り、病気ではなくとも「虚弱な」人の割合がどんどん増えていきます。 東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫教授によると、十数年後には都市部を中心に病院はパンク状態になり、「このままでは確実に大混乱が起きる」といいます。 (人口ピラミッドの図を見ながら解説する東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫教授) 日本ではとにかく「困ったらまず病院」。東京財団の研究員、三原岳氏によれば、イギリスやオランダでは、患者
身長190センチの被告の背中が法廷では小さく見えた。平成25年元日、京都府城陽市の住宅街にある中華料理店から82歳のおばあさんが病院に運び込まれ、4日後死亡した。祖母を殴り死なせたとして傷害致死の罪に問われたのは、孫の中でも特におばあちゃん子で、長年ほぼ1人で面倒をみていたという孫の男(36)だった。前年夏頃から認知症の症状が出ていたという祖母。言って聞かせれば分かると部屋中を注意の張り紙だらけにしていた孫。なぜ悲劇は起きたのか。取材を続けると、決して人ごととは思えない重い現実があった。(京都総局 小川原咲)部屋の至る所に張られた注意書き 被告は祖母を親しみを込めて「おばあ」と呼んでいた。法廷記録などによると、「昔から口が達者で頑固だった」というおばあの異変に周囲が気づき始めたのは、24年夏ごろだ。 食事や排泄(はいせつ)などにはまだ大きな問題はなかったが、たばこの火の不始末でボヤ騒ぎにな
父が入居している有料老人ホームの、介護士の人に聞いた話である。 「施設に入って認知症が急速に進むのは、女性より男性です。その中でも多いのが、会社の社長さんとか学校の先生。社会的には「偉い立場」で、ずっとこれまで自分が指図する側で来た人ですね。それが、環境が変わって人から看てもらうようになった時、気持ち的に自分の立場を受け入れられなくて、おかしくなってしまう」。 そうでしょうとも‥‥と、父を見ていて思った。 社長さんはどうなのか知らないが、教師は現在、大昔に言われたような「偉い人」ではない。「先生」が「先生」というだけで一応尊敬の眼差しで見られた時代は、とうに過ぎ去った。でも今、老人ホームにいる人は「先生がまだ偉かった時代」を生きてきた人である。89歳の父はまさにその典型だろう。 高校教師を長年勤め、頭のてっぺんから足の先までガチガチの先生気質だった父。家族の上にも父親兼教師として君臨してき
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く