ものの名前を覚える時、雰囲気で覚えがちである。雰囲気とはつまり、ぱっと見の印象だ。 たとえば豆板醤は「漢字3文字の調味料」と覚えている。ものすごくざっくりだ。キティちゃんを「猫」と把握しているのに近い。このような生活を続けていると、恐ろしいことに、だんだんものの区別がつかなくなっていく。 そしてわたしは、麻婆豆腐を作ろうと思い立ったとき、レシピに漢字3文字の材料が複数書いてあるのを見て、たいそう混乱したのである。 編集部よりあらすじ:3文字の漢字の調味料「豆板醤、甜麺醤、豆鼓醤」の違いがわかりづらい。手作りすれば違いを認識できそうだ。連載企画の一回目は豆板醤をつくります。