出版大手KADOKAWAがサイバー攻撃を受け、同社の社内情報が外部に大量流出した。同社から情報を盗み出し金銭を要求したのは、ロシア系とされるサイバー犯罪集団だ。苦しい立場に立たされたKADOKAWAをさらに追い詰めたのは、皮肉にも「ネット民」たちの行動だった。AERA 2024年7月22日号より。 【動画配信でおわび】「KADOKAWAの夏野剛社長」はこちら * * * サイバーセキュリティー専門家の森井昌克・神戸大名誉教授は「このような事件の展開は経験がない。(1日の大半をネットに費やす)ネット民が犯罪集団の手助けをしたと言われても否定できない」と驚く。 一体、何が起きたのか。まずは事件の概要をおさらいしたい。 KADOKAWAの発表によると、同社グループが使うサーバーがシステム障害を起こし、アクセスできなくなったのは6月8日午前3時30分ごろ。データが暗号化される「ランサムウェア(