phaさんの書く文章は、柔軟剤のようなものだと思っている。 必要不可欠ではないけれど、日々の生活で摩耗し、くたくたになった繊維を柔らかくほぐしてくれる。そして、特定の環境ですっかり染みついてしまった匂いをリセットし、ふんわりリラックスできる香りをもたらしてくれる存在だ。……なんだかうまいこと言おうとして失敗した気がしなくもないけれど、要するに「凝り固まった考えを解きほぐしてくれる」的なアレです。 既刊すべてを読んでいるわけではないけれど、phaさんの言説からはいつもそのような読後感を得られて心地良い。いわゆる「世間一般」とか「常識」とか「普通」からは少し外れているけれど、別にそれらを否定するわけではなく、自身の考えを強く主張するでもなく、「こうやって考えてもいいんじゃない?」「こういう選択肢もあるよ?」と、ゆるく提示してくれる感じ。 自分がまだ会社員だったころに読んだ『ニートの歩き方』もそ