投資ファンドによる日本企業買収の実態を生々しく描いた経済小説「ハゲタカ」が映画化され、全国で公開中だ。ドラマ化された2年前は、株主価値の向上を求める外資系ファンドが存在感を示し、株主総会を舞台に、委任状争奪戦やTOB(株式公開買い付け)合戦が展開された。現在は、世界金融危機による資金不足などからファンドの活動は停滞しているが、映画では、巨額の資金を動かす中国国家ファンドの潜在的脅威や、金融危機の現状がリアルに描かれている。映画の見どころや、ファンドの動向などについて、原作者の真山仁氏と経済監修の森生明・西村あさひ法律事務所経営顧問に聞いた。 ◇ ■生活や悩み マネー戦争の葛藤に 経済監修・森生明氏 もりお・あきら 京大法卒。1983年4月日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。米投資銀行ゴールドマン・サックスに移り、M&A(企業の合併・買収)アドバイザリー業務に従事