「『燃やさない文明(EVと太陽光発電を中心とした社会)』をいかに構築していくかであり、車づくりは明らかにEVにシフトしようとしています」 岸 宣仁=文 新興国を巻き込んだ世界的な電気自動車(EV)の開発競争に拍車がかかってきた。フォードが自動車の大量生産に道を開いてから約100年、車づくりの座標軸は、ガソリンから電気へと劇的なパラダイムシフトを遂げようとしている。自動車市場をめぐる潮流の変化について、村沢義久・東京大学総長室アドバイザーは次のように説明する。 「地球温暖化をいかに阻止するか、環境問題が緊急の課題になっていますが、それにはゼロエミッション(排出量ゼロ)を目標に掲げなければなりません。それは、『燃やさない文明(EVと太陽光発電を中心とした社会)』をいかに構築していくかであり、車づくりは明らかにEVにシフトしようとしています」 かつて自動車産業といえば、大手自動車メーカーとその