■修羅場ランバ 6月は決戦の時。あまりの事の煩雑さに出来事の時系列を定かに覚えていないが、思いつくままに記していくとしよう。 6月も半ばを過ぎると「ダビング」という最後のプロセスも視野に入ってくる。実際にダビングが行われたのは7月の10日前後であったと思うが、このダビングというプロセスは出来上がったフィルムに合わせてアフレコで録ったセリフ、音楽、効果音を付ける作業である。効果音はその一週間前くらいから出来上がったフィルムを見ながら足音から何から付けていくのだが、芝居が見えないと音の付けようもないので当然色の付いたフィルムが上がっていなければならない。だというのに。 この期に及んでもフィルムは半分も出来てはいない。およそダビングに全て完成したフィルムは間に合いそうにもない状況である。さてそのような場合長年業界に蓄積された対処法とは如何なるものであるか。 今まで万全な状態でばかりダビングが