直観が頼りにならない SO(3)とSU(2)が出てきたので両者の関係について少し書いておこう. SO(3)は 3 次元での回転と同じ対称性を意味しており直観的に把握できた気分になる.対して SU(2) の方は 2 次元とは言ってもその成分が複素数であり全体像がイメージしにくい. ところがその構造を調べてやると意外にもSO(3)の方が複雑で,SU(2)の方があっさりしているのである. SO(3)は構造が複雑 3次元空間での回転と言っても,あらゆる方向を軸として色んな回転の仕方があるのである. ボールを手に持って回し,色んな方向を向ける様子を思い浮かべてみて欲しい.無意識に行っているかも知れないが,次々と色んな軸に沿った回転をさせている. 球面上のある一点をどこか別の点へ移動させるのも回転の一つだが,それを実現したときの球面全体の姿勢というのは一通りではない.回転にバリエーションがありすぎて,
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