国土交通省関東地方整備局は6日、八ツ場ダム(群馬県長野原町)建設に関する基本計画を変更し、完成時期を2015年度から19年度に4年延期すると発表した。1986年に告示された基本計画の変更は今回が4回目。事業費約4600億円は現時点で変更しない。 八ツ場ダムをめぐっては、民主党政権が事業を一時凍結したが、地元自治体の要請などを受けて2011年末に建設継続に転換。安倍政権もこの方針を踏襲している。ただ、現在は、工事用道路造成など関連工事の手続きを進めている段階で本体建設着手には至っておらず、地元などから完成時期の見直しを求める声が上がっていた。 国交省は今後、ダム貯水池周辺の地質調査を実施し、地滑り対策などが新たに必要かどうかを検討する予定。これにより追加費用が発生する可能性もあるが、同整備局は「事業全体のコスト縮減を図り、現事業費の範囲で収まるよう努力する」と説明している。