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西條博子に関するdot_asahiのブックマーク (9)

  • 息子ってヤツは | AERA dot. (アエラドット)

    タレントでエッセイストの著者による、息子と二人三脚で挑んだ中学受験記。入塾テストに落ちた小学3年生時から受験をへて寮に入って中学生活を謳歌するまでを収める。 息子は小さくても男である。洗脳されやすく、自分の言葉には責任をとらねばと思い込む男。挫折に弱く、ストイックぶるのが大好きだ。著者は息子を調子づかせる一方で、国語が偏差値29だったと知ると、受験の物語文は人が死ぬ話、淡い恋の話、主人公がひねくれる話の三つに集約されるとして、おおよその暗記用の答えを作ってやる。塾の面談で、息子さんのタイプは全勝するか全落ちするかだと言われて思い悩んだり、編集者と飲みにいった先から電話をかけると、「オレが勉強しているのに、おまえはなに飲んだくれてるんだよ」と返されたり。大らかな関係が楽しい。 ※週刊朝日 2016年8月12日号

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  • 煉瓦を運ぶ | AERA dot. (アエラドット)

    カナダ人作家による、斜陽化する街ウィンザーに暮らす、主に労働者階級の人々を描いた七つの短篇小説集。 表題作は、灼熱の太陽の下、煉瓦敷きに励む男たちを描く。「僕」の同僚は、皮膚を刺青で覆った男と、過去に身近な誰かを叩きのめしたという噂の男だ。アルバイトの学生が一人いて、ひと夏中仕事が続いたことをねぎらい、最終日のランチタイムにバーへ連れて行く。しかし乱闘騒ぎに。 「ループ」は自転車に乗って薬を配達する少年が主人公だ。雇い主の一番のお得意は、恐ろしげで太って裸同然の、小さい男の子に手を出さずにはいられないらしい男。ある日、彼が倒れていた。巧妙なトリックに違いないと思うも、信念を破って部屋に踏み込む。 人物の筋肉の緊張と、曖昧さを省いた誠実な語りが魅力のデビュー作。 ※週刊朝日 2016年8月5日号

    煉瓦を運ぶ | AERA dot. (アエラドット)
  • おとなのための俊太郎 | AERA dot. (アエラドット)

    歌、サックス、チェンバロで中世・ルネッサンス音楽から創作歌謡までを歌いあげる3人のユニットが、谷川俊太郎の詩に遊び心を刺激され、音楽にした。15篇の詩集にヴォーカル入りのCDがつく。 「スーパーマンは駅前の屋さんで スーパーマンの漫画を五さつ買いました」とチェンバロに弾むような「スーパーマン」。「うんこよ きょうも げんきに でてこい」と優雅ささえ感じさせる調子の「うんこ」。ソフトに始まるが、「大臣がなんどかわろうが うそつきはやっぱりいやだな」とふいに歯切れの良さを利かせる「あくび」。讃美歌風の歌い出しにサックスが寄りそう「春の臨終」。ユーモアたっぷりの自由詩がジャズ、あるいはバロック風の洒落た音楽に乗る。作品ごとに活字の色やフォントが変わり、とぼけたイラストが愉しい。 ※週刊朝日 2016年7月29日号

    おとなのための俊太郎 | AERA dot. (アエラドット)
  • 須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通 | AERA dot. (アエラドット)

    夫を亡くし、イタリアから帰国したのちの随筆家が心を許した友人に宛てて綴った書簡集。便箋にびっしりと綴られた青インクの筆跡や封筒の表書きが写真に収まる。 娘ほども年の離れた「おすまさん」に書く。怠け者で、まったく仕事をする気がなくて、と論文が書けないことを嘆き、「鏡にうつった私の顔はインテリ女みたいだったので心からぞっとして助けてくれというかんじでした」。イタリア政府から功労章を受けると、「私はクンショーよりも馬の方がほしいくらいだったのですが、そんなワガママはきいてもらえないらしくて」。故意に、アメリカにかたくなに背を向けて生きてきたことを残念がる。あるいは、イタリアを去って、自分はむだな年月を過ごしたのではないかと恐れていたことを吐露。筆は少女のようにのびやかだ。 ※週刊朝日 2016年7月15日号

    須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通 | AERA dot. (アエラドット)
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    dot_asahi 2016/07/08
    【書評 話題の新刊】須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通 〈週刊朝日〉 #須賀敦子 #つるとはな 書評 by #西條博子 https://t.co/KP4v7whmzi
  • ベイリィさんのみゆき画廊 銀座をみつめた50年 | AERA dot. (アエラドット)

    画廊の街・銀座で新人の登竜門として知られ、50年の歴史に幕を閉じたみゆき画廊。アシスタントとして先代オーナーとともに画廊を守った著者が、運営に試行錯誤を繰り返した「ベイリィ」こと加賀谷澄江の生きざまを綴る。 人気の貸画廊で、若く、才能のある芸術家を応援する気持ちがあった。資産家の令嬢だったが資金繰りは自転車操業。建築家に「ここで、画廊のマダムみたいなことをやろうとしているの?」と冷やかされると、「日の建築家がもっと美術のことを勉強して、建築に美術を使ったらどうなの」と言い返し、パソコン操作に行き詰まる著者のためには、「あなた、ちょっと来てくださらない?」と近所の書店にいた男性を連れてくる。作家らが素っ気なさの中に好意を感じ取ったという、凛とした人柄が偲ばれる。 ※週刊朝日 2016年7月8日号

    ベイリィさんのみゆき画廊 銀座をみつめた50年 | AERA dot. (アエラドット)
    dot_asahi
    dot_asahi 2016/07/03
    【書評 話題の新刊】ベイリィさんのみゆき画廊 銀座をみつめた50年 〈週刊朝日〉 #牛尾京美 #みすず書房 書評 by
  • 我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! | AERA dot. (アエラドット)

    尖鋭的詩人が自らの生い立ちと内面の軌跡、そして国内外の芸術家たちとの交流を語りつくす。 内向的でとじこもりがちなところがあり、時代の暗い沼に触れた、冷気のようなものを終生持っているという著者。駅前に3人の白衣を着た死人が走っていた、幼年時代に見た幻覚を鮮明に覚えているという。キャバレーのボーイをして水商売とやくざの世界に触れた学生時代は、自分の魂をどのように生かすかで火の玉となり、乱読。太宰やドストエフスキー作品の底から聞こえてくる声を読んだ。 創作にあたり、自らをぎりぎり狂う寸前までもっていく。アイオワで過ごしたときは英語を拒絶し、言語を枯らすように引きこもり、内的言葉に耳を澄ませ、その根底にある歌をつかもうとした。魂の激しさにおののく。 ※週刊朝日 2016年7月1日号

    我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! | AERA dot. (アエラドット)
    dot_asahi
    dot_asahi 2016/06/24
    【書評 話題の新刊】我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! 〈週刊朝日〉 #吉増剛造 #講談社 書評 by
  • 〈花〉の構造 日本文化の基層 | AERA dot. (アエラドット)

    書家が、日語において「花」とは何かを構造的、歴史的に説き明かした文化論。 中国語の「華」は、花の姿をかたどった象形文字で、それを省略したのが「花」。漢字語の中国で、「花」は政治的エリートが備えるべき品格や品性、佇まいの象徴として見られていた。それに対して古今和歌集、源氏物語に見られるひらがな語は季節を歌いあげ、性愛を物語る表現をゆたかに作り上げてきた。咲いている花のもとに男の鳥が通ってくるという構図が下地にある。ひらがなが性愛を愛する日人を創ったのだ。その他、東アジアで共通の象徴的な花といえば「梅」であることや、花言葉の書物の三つを挙げて比較するなど興味がつきない。東アジアでは「ぼたん」に王者の風格を見るが、花言葉には恥じらいや人見知りの意味もあるなど楽しい。 ※週刊朝日 2016年6月24日号

    〈花〉の構造 日本文化の基層 | AERA dot. (アエラドット)
    dot_asahi
    dot_asahi 2016/06/21
    【書評 話題の新刊】〈花〉の構造 日本文化の基層 〈週刊朝日〉 #石川九楊 #ミネルヴァ書房 書評 by
  • 銅版画家 南桂子 メルヘンの小さな王国へ | AERA dot. (アエラドット)

    南桂子の名前を知らないまま、彼女の銅版作品のメルヘン的な世界に親しみを覚えた人は少なくないだろう。少女や小鳥、樹々……。42歳でパリに渡り、70歳を過ぎて帝国ホテルの全客室に作品が飾られた。明治生まれの銅版画家の作品群と生きざまを、日記や縁のあった人々の回想から紹介する。 南の描く、幸福と哀しみが静かに溶け合うような目をした少女に、「人は自身の孤独を見るのではないか」と有吉玉青。南と同時期にパリに滞在した宮脇愛子は、純真で柔らかな人柄が作品にそのまま表れていると述べつつも、人を辛辣に見て、「人間なんて誰も信じられやしない」と偽悪的に話した一面を回想する。南のパリ時代の日記には、「身にまとい寒さをふせぐものがあれば充分也」とある。脇目もふらず制作に打ち込む姿が美しい。 ※週刊朝日 2016年5月20日号

    銅版画家 南桂子 メルヘンの小さな王国へ | AERA dot. (アエラドット)
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    dot_asahi 2016/05/15
    【書評 話題の新刊】銅版画家 南桂子 メルヘンの小さな王国へ 〈週刊朝日〉 #コロナ・ブックス編集部 #平凡社 #西條博子 https://t.co/uXan6FXkOt
  • いいかげんに、生きる | AERA dot. (アエラドット)

    人気の心理カウンセラーによる、てきとうに生きることを勧めるメッセージ。 格言は、ときに心の枷になる。自身の幸せよりも、苦労することが目的になっていないだろうか。著者は、他人に甘えて全てをまかせようと提言する。木村秋則の『奇跡のリンゴ』では、それまで木の生育に必要と思われていた草取りなどの手間の全てを排除し、無農薬無肥料の林檎を実らせた。それと同じように、部下など他人を成長させるには、手をかけない「放牧」が良いのだという。そして自身は小さくまとまらず、我慢をやめて原生林のように生きよう、と。 あえて手を抜いてみるとたくさんのことが楽になり、初めて世間の人のやさしさに気づくことができるという。添えられた写真にも心がなごみ、ほっと息をつくことができる。 ※週刊朝日 2016年5月6日―13日合併号

    いいかげんに、生きる | AERA dot. (アエラドット)
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