「神はサイコロを振らない」。そう言ってアインシュタインが量子力学を批判したのは有名な話だ。彼は観測される現象が偶然に選ばれるという量子力学のあいまいさに納得せず,最終的にはすべてが古典力学で説明できるのではないかと考えていた。 こうしたアインシュタインの考えは長く否定されてきたが,最近,徐々に賛成する研究者も増えてきた。古典力学から量子力学を導き出す試みがさかんになっており,その代表は「隠れた変数理論」と呼ばれる理論だ。 かつてノーベル賞を受賞したト・ホーフトは,古典的なシステムと,量子的なシステムの決定的な違いは,情報の損失の有無だと主張する。古典的なシステムが,摩擦のようにエネルギーを空間に散逸させる力によって情報を失い,その結果,量子的に振る舞うようになるという。 一方,理論物理学者のハドレーは,過去だけでなく未来に起きる出来事が現在に影響すると考えることで,量子現象を古典的に説明で
回答:ワクチン接種を後悔しなければならないような事実は、全く確認されていません 2021年から接種が始まった新型コロナのワクチンに関して、その後、メリットを上回るようなリスクやデメリットが判明したとか、ワクチン接種をした人の方が病気になりやすくなったとか、ワクチンを”解毒”しなければならなくなったとか、そういった事実は全く確認されていません。 このところ、ワクチンを接種したという判断を”間違い”であったと思いこませようとするようなデマ情報(と、それに伴って謎の高額解毒アイテムや未承認薬を購入させようとする情報)が盛んに出回っていますが、過去にワクチンを接種したことに対して不安を感じる必要はありませんし、ワクチンを接種したという判断を後悔する必要も全くありません。 むしろ、重症化や後遺症を防ぐために有効なワクチン接種を済ませていることは、新型コロナウイルス感染症の流行が”日常”になった今の社
「京都大学アカデミックデイ」は、誰もが学問の楽しさ・魅力に気づくことができる「対話」の場となることを目指して、2011年度から実施しているイベントです。今年のアカデミックデイは2回開催します。その1回目を9月21日に、昨年度と同じ京都市役所前のゼスト御池で開催します。 本学の研究者100名以上が集い、自らの研究について来場者と語り合うこのイベントでは、たくさんの分野の学問とその魅力を感じていただけるよう、対話の形をいくつかご用意しています。研究について、ふと思ったことや気づいたことなどを研究者と語り合って、楽しみながら互いの世界を広げていきましょう。 お子様から大人まで、お一人で、友人と、ご家族と、どなたでも参加できます。年齢制限も入場料も事前登録もありませんので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
疲労は、私たちに休息の必要性を知らしめ、過剰活動により疲弊してしまうのを防御するための重要な生体警報(アラーム)の一つです。痛み、発熱、疲労といった三大生体アラーム機構ですが、痛み、発熱の分子神経メカニズムがかなり解明されているのに対し、疲労の分子神経メカニズムに関しては、ほとんど断片的な研究しかありませんでした。 研究の上では、「過度の肉体的および精神的活動によって生じる作業能率や作業効率が統計的有意に低下した状態」を疲労と定義していますが、このように定義すれば、疲労が客観的に計測できることになるからです。疲労は、ストレスが重なって起こる作業能率低下状態であり、ストレスが起因で疲労はその結果の一つの状態です。 また、医療の世界では、疲労は未病の最たるものと考えられ、回復しない疲労は、様々な疾病へと移行する予知因子と捉えられています。一方、多数の病気による全身倦怠感は、症候学では大きな要素
私が特に気にしているせいもあると思うが、昨年からデジタル影響工作に関連する研究の見直しをよく見かける。デジタル影響工作は2016年のアメリカ大統領選挙で有名になったが、2014年のロシアのクリミア併合からすでに多く取り上げられていた。10年目の節目だからなのかもしれない。 ●全体的な傾向これまで行われてきた研究を概観した研究としては下記を紹介した。・「COUNTERING DISINFORMATION EFFECTIVELY An Evidence-Based Policy Guide」 ・「What do we study when we study misinformation? A scoping review of experimental research (2016-2022)」 この2つに共通している過去の研究の課題は下記であり、この2つでも根本的な見直しが必要と考えられる。
日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 医療現場では毎日、傷害を受けた子どもたちの診療を行っています。小児科医は、「こんな事故が起こるのか」とびっくりする事例に遭遇していますが、それらは単発で症例報告されることもほとんどありません。その情報がないため予防策にはつながらず、漫然と同じ傷害が起こっています。重症度が高い傷害を繰り返さないためには、発生状況を詳細に記録することが不可欠です。 そこで、こどもの生活環境改善委員会では、2008年に日本小児科学会雑誌と学会ホームページに「Injury Alert(傷害速報)」の項目を設けました。また、2011年からは学会ホームページに「類似事例」の掲載を開始しました。 この速報は症例報告ではありません。傷害の事実のみをできる限り正確に記載しました。また、当委員会の「傷害速報」担当が簡単なコメントを記載しています。日本小児科学会へはこれまで多数の投稿を
欧州において、以下の注意喚起が行われています。 「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されています。EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています。 (参考) 欧州連合(EU)、紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニンの基準値を設定 スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紅麹を有効成分とするサプリメントを服用する前に必ず医師に相談するよう注意喚起
Sheep herd pastures at the mountains near Khinalig village, Quba region, Azerbaijan. (Oleksandr Rupeta/NurPhoto via Getty Images) A few weeks ago, my friend Abigail Shrier—who you surely remember from this essay or this investigation—was invited to give a speech at Princeton. Abigail is the author of “Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters,” a bestselling book that, for
厚生労働省eJIM(イージム:「統合医療」情報発信サイト)は、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介しています。決して個人の責任で実施するさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもありません。*相補(補完)・代替療法: 近代西洋医学と組み合わせられる各種療法 海外の情報 各種施術・ 療法 サプリメント・ ビタミン・ミネラル 各種疾患 (医療関係者向け) 各種施術・療法 (医療関係者向け) サプリメント・ビタミン・ ミネラル(医療関係者向け) ハーブ (医療関係者向け)
「中には無意味なものもある」内科医が教える"使えるコロナ検査キットとダメな検査"の見分け方 そもそも「抗体検査」「抗原検査」「PCR検査」の違いを説明できるか 自己検査キットで陰性でも、症状があれば受診の検討を 一時的であれ感染の不安を払拭したり、陽性だった場合に自主隔離するために個人的に検査をすることは悪いことではありません。ただ、希望者だけに検査をすることでは感染を完全に制御するのは難しいようです。隔離されたくない人は検査を希望しませんし、自己検査で陽性でも隠したり、陰性だったと嘘をついたりすることもあるかもしれません。 陰性や偽陰性だった人が安心することでほかの対策を取らなくなり、新型コロナを広めてしまうこともあるでしょう。これはマスクでも、ワクチンでも、同じことが言えます。検査で陰性だったから、マスクをしているから、ワクチンを接種しているから……、といって、ほかの感染対策がおろそか
当院総合診療科の玉井道裕医師が作成した「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」を公開します。新型コロナウイルスの基本知識、感染を防ぐためにやるべきことなどイラストとともにわかりやすく解説しています。 NEW(2022/8/18追加) 新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書(オミクロン株BA.5編) →圧縮版[3MB] *お願い*(2022/8) 『新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書』につきまして、これまでも大変多くのお問い合わせをいただいておりますが、現在、発熱外来をはじめとした診療にかかわる電話が急増し、回線が大変込み合っております。診療にかかわるご連絡を最優先するため、説明書に関するお問い合わせはご遠慮いただきますようお願いいたします。 よくあるお問い合わせ・質問 Q1.(保育園や学校、自治体、企業様などより)園児・学生、社員やそのご家族に対して紹介、配布
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