【なぜ本は売れないのか】(下)「新刊点数が増え、どれを手に取ればいいのか」 (1/2ページ) 2009.9.22 09:18 ランキングの罠 詩人でエッセイストの木坂涼さんは言う。 「書店にいってもこれはという本が手に入ることはめったにない。私の場合は、はやっているものを読みたいという読書ではないので最近は本を求めるのはもっぱら古本屋さん。そこでいい本がみつかると、それが私にとっての新刊です」 自身の価値観がはっきりしているからこその言葉だろう。 本が売れない。その理由にはさまざまな見方がある。趣味の多様化、ネットの普及、新古書店の成長、書棚を置けない住宅事情…。少ないパイを奪い合うように加速する“新刊洪水”現象のなかで、読み手の選択眼の低下を懸念する声もある。 三省堂書店神保町本店次長の岸本憲幸さんは「全体の売り上げが落ちてもベストセラーが生まれるのは、テレビなど他のメディアの影響がと