『ネット情報活用術』で楚人冠を紹介するために、この点を確認しようと思ったが、ウィキペディアには出典が示されていない。ネットではらちがあかないので、会社の書庫にある『朝日新聞社史 明治編』を引っ張り出し、「天声人語」創設の経緯を読み進んで、命名者は大阪朝日の西村天囚であるとの記述を確認した。そもそも「天声人語」は大阪で始まっており、楚人冠は東京の記者だ。 ちなみにウィキペディアの「西村天囚」の説明には「コラム『天声人語』の名付け親とも言われる」、「天声人語」の説明には「命名者は杉村楚人冠(明治30年以来大阪朝日の主筆であった西村天囚だとする説もある)」とあり、参考文献の欄に「朝日新聞2012年2月4日、天声人語特集によると、西村天囚とある」との但し書きがある。確かに、この天声人語特集には、「『天に声あり、人をして語らしむ』という意味で、記者として活躍した西村天囚が命名した」と書いてある。