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ブックマーク / jun-makino.sakura.ne.jp (19)

  • 1. いろいろなモデル計算 (2020/4/10)

    1. いろいろなモデル計算 (2020/4/10) コロナウイルス(SARS-CoV-2) の感染がどのように広がるかについては色々な ことがいわれています。が、その背景にあるモデルはほぼ同じで、 Kermack and McKendrick の SIR モデル A contribution to the mathematical theory of epidemics, 1927, Proceedings of the Royal Society A です。これについての牧野による解説は 岩波「科学」5月号掲載予定の原稿に書いた通りなので、まずはそちら を御覧いただければと思います。 基的にはこのモデルを使っているにもかかわらず、どう対策をする必要があ るか、については色々な人が色々なことをいっていて、大きな幅があります。 ここでは、そのうち3つを取り上げて、どのような違いが生じている

  • 133. ShenWei TaihuLight (2016/6/23)

    133. ShenWei TaihuLight (2016/6/23) 改めて書くまでもありませんが、以下は牧野個人の見解であり AICS の見解を代表 するものではありません。 2016年6月の Top 500 では、中国の ShenWei TaihuLight システムが、ピーク 性能 125PF、HPL 性能 93PF と驚異的な数値を叩き出して同じ中国の Tianhe-2 が 2013年6月から守っていた1位の数値を3年ぶりに書き換え、6期連 続で中国設置のマシンがトップとなりました。 稿では、この TaihuLight の意義を少し考えたいと思います。 まず、TaihuLight で使われているプロセッサは Tianhe-2 と異なり、設計か ら(おそらくファブまで)純粋に中国製です。Tianhe-2 はXeon + Xeon Phi (KNC) だったわけですが、TaihuL

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    dowhile 2016/06/24
  • 129. 重力波検出の意義と今後の進展(2016/2/12)

    130. 重力波検出の意義と今後の進展(2016/2/12) 重力波が検出されました。ここではその科学的意義と今後するべきサイエンス について解説し、私見を述べます。 まず、何がどのようにして観測されたか、ですが、 論文 にあるように、 36 太陽質量(太陽の質量の36倍)のブラックホールと 29太陽質量のブラックホール同士の合体です。起こった場所は正確にはわから ないですが、我々からの距離はわかっていて13億光年です。 何故重力波を観測したというだけでブラックホールであるとか質量とか距離が いきなりわかるのか、というと、ブラックホールの合体、というイベントを考 えると、その最重要なパラメータは質量です。合計の質量で最後の合体の瞬間 にでてくる重力波の周期が決まり、質量の比もわかると振幅の絶対値が決まります。 さらに、最後の合体の前の数回転でどれくらいの速さで軌道が縮んだか、とい うことか

  • ./note130.html

    129. How I Learned to Stop Worrying and ... (2015/12/26) タイトルはもちろん「博士の異常な愛情」ですが、私が水爆を 愛するようになったわけでありません。 18日のPCクラスタシンポジウムのパネルにでられた方は既にご存じの通り、 牧野の務は 2016/3/1 付けで神戸大学理学系研究科惑星学専攻となります。 理研 AICS は兼務となり、研究部門粒子系シミュレータ開発チームリーダー、 エクサスケールコンピューティング開発プロジェクトプロジェクトリーダー ならびにエクサスケールコンピューティング開発プロジェクトコデザイン推進 チームリーダーはまだお役御免になってなくて当面継続です。 私としてはお役御免になることに全くやぶさかではないのですが、今のところ は、ということです。 私は、ポスト「京」のプロジェクトのうち「加速部」について責任

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    dowhile 2015/12/31
  • http://jun-makino.sakura.ne.jp/talks/ishigaki20131123.pdf

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    dowhile 2015/12/30
  • 126. Xeon におけるノード内MPI性能 (2015/4/30)

    126. Xeon におけるノード内MPI性能 (2015/4/30) 某プログラム、というか、単に独立時間刻みで 1000粒子くらいの N体系を積分するものを、Xeon 2 ソケットとかのノード内並列で なるべく速くしたい(ノード間でもいいのですがどうせ速くならないだろうみ たいな)ということが研究上あって、少し OpenMP をいじっていたのですが、 OpenMP の同期等のオーバーヘッドが巨大で、普通に書いたのではなかなか 速くならない、ということがわかってきました。 独立時間刻みのプログラムは以下のような構造をしています。 次の時刻と、そこで積分する粒子群を決める(アクティブ粒子) 全粒子のその時刻での位置を予測する 全粒子からアクティブ粒子への力を計算する 計算した力を使って、アクティブ粒子をアップデートする 1 へ戻る 計算量のほとんどはステップ2,3なので、ここは並列化も S

    126. Xeon におけるノード内MPI性能 (2015/4/30)
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    dowhile 2015/05/05
  • 125. MIMDメニーコアの現在と将来 (2015/3/21-22)

    125. MIMDメニーコアの現在と将来 (2015/3/21-22) ここしばらく、色々なしがらみもあって MIMD メニーコアのシステムについて 色々みたり聞いたり文句をいったりする機会が多いのですが、連続的な進化、 というのはやはり限界に近づいている、というか、既に限界を超えているのではと いうふうに思います。以下、なにが問題か、対応策はあるのか、というのを 少し議論してみます。 将来というか、まず現在の困難というのは Xeon Phi に表現されています。 但し、KNF とか KNC では、あまりに設計がアレであるという問題が多す ぎて、MIMD メニーコアの質的な問題点が見えにくくなっています。 まず設計上の問題点です。 主記憶のアクセスレイテンシが 250サイクルくらい (らしい)のはまあしょうがないとして、リモートキャッシュも同じくらいある とか、なにがどうなってるかよくわ

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    dowhile 2015/04/03
  • 124. FDPS (2015/3/20)

    124. FDPS (2015/3/20) 3月17日、私達「理化学研究所計算科学研究機構粒子系シミュレータ研究チー ム」は、粒子系シミュレーションのための汎用プラットフォーム "FDPS" (Framework for Developing Particle Simulator) のイニシャルリリース、 Version 1.0 を 公開しました。 ソフトウェアは githubで公開しています。 インストールからサンプルプログラムコンパイル、実行までのチュートリアルも用意しました。 ここでは、FDPS とはどういうもので、何ができるか、また、どういう考え方 で開発されているかについての、私の個人的な考えを述べます(チームないし理研 公式のものというわけではありません)。 FDPS は、粒子系シミュレーションのための「汎用」プラットフォームです。 つまり、粒子系であればどんなものにでも適用で

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    dowhile 2015/04/03
  • 123. フラッグシップ2020 と私(2015/1/16)

    123. フラッグシップ2020 と私(2015/1/16) 首相官邸からの アナウンスによると、13日に行われた第7回総合科学技術・イノベーション会議 (CSTI)で安倍首相は以下のように述べたそうです。 スーパーコンピュータ「京(けい)」については、かつて開発計画の凍結も 議論されました。日は、ポスト「京(けい)」開発に関する評価を決定いた だき、格的なスタートの準備が整えられました。強い意志を持って、世界で 一番を目指していきたいと考えています。 ここで総合科学技術・イノベーション会議といわれているものはいわゆる「 会議」で、その下に色々な部会などがあります。ポスト「京」については、 評価専門調査会の議題になり、その下にさらに評価検討会が組織され、そこで の結論が評価専門調査会、会議と順番にあがっていく、という仕掛けです。 13日の会議は首相がでる(主催する)ことからもわか

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    dowhile 2015/02/09
  • 122. PEZY-SC と「睡蓮」

    122. PEZY-SC と「睡蓮」(2014/11/21) 2014/11 の Top500 には、久しぶりに Intel 等の巨大企業ではないベンチャー の独自開発によるプロセッサがエントリーしました。 KEK に設置された ExaScaler-1 「睡蓮」です。 Dual Xeon の普通のノードに、 PEZY-SC なる独自開発の MIMD 1024 コアプロセッサを2つ載せた ボードを4枚搭載したたシステムです。 PEZY-SC は動作クロック 733MHz, 倍精度ピーク演算性能 1.5TF、 チップ自体の消費電力は 65W と発表されています。製造プロセスは TSMC の28 HPM で、我々が GRAPE-X の試作に使ってものと同じ、 電力あたり性能も大差ありません。GRAPE-X では、若干低電圧側に ふった動作で 30GF/W を実現しています。 さらに、 2014/

  • 121. ワイドSIMDの諸問題(2014/8/10)

    121. ワイドSIMDの諸問題(2014/8/10) Xeon Phi で既にそうなっているように、「汎用」コアでは1コアあたりの SIMD 幅がどんどん増える方向に向かっています。「京」の Venus では 倍精度2演算の SIMD ユニットが2つでしたが、ポスト FX-10 では ユニットを増やすのはまず無理なので幅が2倍、さらに単精度演算もサポート、 その次ではさらに2倍になるのがありそうなストーリーでしょう。そうすると、 1サイクルあたり、単精度では1コアで 64演算(加算32、乗算32)することにな ります。 これくらい幅が広い時にどのような問題が発生するかを、以下割合簡単な差分 法コードを例に考えてみます。 波動方程式のFDTD空間4次精度差分では、こんな感じの差分式を使います。 x(i,j,k)= (V(i-1,j,k)-V(i+2,j,k))*a+(V(i,j,k)-V(

  • 119. 陰解法にサヨナラを(2014/6/9)

    この方法は簡単でよいのですが、空間刻み を小さくすると、そ の自乗に比例して時間刻み を小さくしないといけない、という 問題があります。これはフォン・ノイマンの安定性条件といわれるものです。 この限界より大きな時間刻みでは解が発散します。 陰解法のもっとも簡単な形は です。これは の全部についての連立方程式になっていますが、1次 元の場合は簡単に解けるのであまり問題はありません。で、この形では、時間 刻みをどんなに大きくとっても解が不安定になることはない、ということが知 られています。 拡散や熱伝導だとまあこうするしかないみたいなところもあるのですが、陰解 法は流体の数値計算でも広く使われています。これは、流体では CFL 条件と いうものがあり、陽解法では時間刻みが (ここで は音 速)を超えられないからです。 超音速のロケットやミサイルの数値計算ならどうせこの条件が効くのですが、 音速

  • 118. エクサはなぜ大変か(2014/4/25)

    118. エクサはなぜ大変か(2014/4/25) 日記のは tw 仕様で読みにくいかもしれないので文体変えてまとめてみます。 エクサスケールスパコンが大変なのは何故か、という話です。 まず半導体の性能が上がらない、というのが最大の問題です。これまでのよう に18ヶ月での世代交代が進んだとしても、トランジスタ密度はその期間で2倍で す。昔と違って動作電圧が下がらないので、演算あたりの消費電力は単純には 3年で半分(フィーチャーサイズに比例)、つまり、10年で1/10弱にしかなりませ ん。しかも、18ヶ月での世代交代がかなり無理になってきていて、2019年に大 規模システム組むのは Intel 以外では 10nm でないと難しいと思われます。 Intel はさすがに 7nm になっているとと思いますが。そうすると、「京」が 2011年で45nm だったのから見ると4世代、1世代2年です。まあ

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    dowhile 2014/04/29
  • 117. HPC用プロセッサの近未来(2013/7/13)

    117. HPC用プロセッサの近未来(2013/7/13) 過去40年間のマイクロプロセッサの進化が、基的にはハイエンドのメインフ レームやスーパーコンピューターの進化を後追いするものであったことは 26 で述べました。大雑把にいって、 1993年の Intel Pentium (ないしは、1989年の Intel 80860) で、完全にパイプライン化された浮動小 数点演算器を実現していて、これが 1976 年の Cray-1 に相当します。但し、 90年代初期から 26 を書いた2006年までのほぼ15年間の進化は、 ベクトルマシンの1976 年からの15年間の進化とは大きく違った、ということ も述べました。ベクトル機のクロック速度は15年間に数倍にしかならなかった のに対して、マイクロプロセッサのクロックは 75 倍にもなったからです。 大雑把にいって、この間にトランジスタ数は 5

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    dowhile 2013/07/14
  • 116. NEC の次世代ベクトル

    116. NEC の次世代ベクトル Cool Chips 16 で NEC の次世代ベクトルマシンの詳細が発表されました。 今年度中には製品発表があるものと思われます。 詳しい解説は安藤さんのものがあるので、ここでは少し違う視点からまとめます。 CPU チップ1つに 16 チャネルの DDR3 メモリコントローラをつけ、 256GB/s のバンド幅を達成します。CPU は4コア、それぞれ 64Gflops で、動作速度は 1GHz とのことです。28nm プロセスで 23x25mm と巨大です。 この仕様を 平成19月4月27日に開催された 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ概念設計評価作業部会(第4回) の 資料 と比べてみると、 256Gflops, 256GB/s, 4 コア、というのは同じで、 動作クロックが 2GHz から 1GHz に落ち、その分演算器の数が倍、 ま

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    dowhile 2013/04/30
  • 113. 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ概念設計評価作業部会(第2回) 配付資料 (2012/6/13書きかけ)

    113. 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ概念設計評価作業部会(第2回) 配付資料 (2012/6/13書きかけ) 情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ概念設計評価作業部会(第2回) 配付資料 が公開されました。これは「京」(当時は次世代スーパーコンピューターとい うプロジェクト名でしたが)の開発方針を決定した大変大事な会議です。 この中でも特に重要のはマル秘マーク付きの これです。 スライド 25 には、2007年段階でアクセラレータを採用しなかっ た理由が書いてあります: 「2者のシステム構成により、目標性能達成の見込みが確認できたため、 アクセラレータの採用は考慮しない」 つまり、アクセラレータ付きの構成と無しの構成の優劣は比較しないで、 「アクセラレータ無しで目標達成できるからアクセラレータ無しにした」 という論理です。これは設計の比較方向としてはかなり奇妙

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    dowhile 2012/06/23
  • 16. 科学とその退廃 (2012/3/25) - 牧野淳一郎

    16. 科学とその退廃 (2012/3/25) 去年 3/11 の地震、それにつづいた福島原発の事故から 1 年が過ぎました。 ある意味、もっとも驚くべきことは、これほどの大事故から1年たった今になっ ても日政府はまだ全原発停止に踏み切れていないということでしょう。 何度も書いたことですが、日に54基ある原発のうち4基が事故を起こし、 これまで世界で1例しかなかった INES レベル7の事故となって膨大な量の 放射性物質を主に東日と太平洋にばらまいたわけです。 関東の人間にとっては極めて幸運だったことに、大量の放射性物質が関東に飛 来した 3/15 には関東では降雨は殆どなく、関東の高レベルの汚染は 3/15には 起こりませんでした。が、福島県まで吹き戻されたあとの雨で中通りは汚染さ れました。 今日事故が起きなかったから、明日もまた大丈夫であろう、と思うのが人間で あり、なのでどれ

    dowhile
    dowhile 2012/03/26
    全原発停止は火力発電をフル稼働の引換えで行われてる現実をみると廃止はどうかな; この理屈だとGRAPEの擁護も難しいのでは……
  • http://jun-makino.sakura.ne.jp/talks/nagoya20120126.pdf

  • 97. 福島原発の事故 (2011/3/19-21) ./note098.html

    97. 福島原発の事故 (2011/3/19-21) この文書はスパコンについて考えるために書き始めたものなので、あんまり関 係ないことを書くのは違う気がしますが、一度考えをまとめておきたいのと、 巨大プロジェクト、という意味でいろんな思うこともあるので書きます。 2011/3/11 の東北関東大震災で、福島県にある東京電力の福島第一原発が 重大な事故を起こしています。これについては色々な人が色々なことをいって いますが、原子炉の物理、核物理、放射性物質の振る舞い、人体への影響といっ た様々のところいくつもが間違っているものが多いです。どのようなことが起 こったのか、その影響は現在までどれくらいか、今後どうなるのか、といった ことをまとめてみます。 なお、3/30 くらいまでの状況については 99 に書いています。 97.1. 核分裂反応と原子炉の基礎の基礎 原子炉の中での核分裂反応はどう

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    dowhile 2011/03/21
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