今更ながら、ずっと前に再読した〈耳刈ネルリシリーズ〉の感想をここにまとめておこうと思った。これを書いているのは、金曜日の深夜。夜更かしにはもってこいだ。 ・『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』 耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫) 作者: 石川博品,うき出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2009/02/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るまずこれは、非常に繊細で、照れ屋にしか書けない小説だ。 レイチ・レイーチイチという語り手は、超ハイテンションな一人称の語り口で始終まくし立てていき、本心という本心を隠し通してしまう。そうやって現代日本オタク文化とチャネリングしているとしか思えないエロい脳内妄想を繰り広げるレイチは、嘘を吐きまくることで、本来ならシリアスに盛り上がるべきシーンでも道化であることを徹底し、どこまでも軽く軽く軽く事件