ヴードゥー教は、いわれのない濡れ衣をきせられている。相手によく似た小さな人形に針を打ち込んで呪ったりする恐ろしい黒魔術集団といったイメージが広く定着してしまっているからだ。しかし、この宗教の発祥の地と言われている西アフリカのベナンでは、ヴードゥー教は1989年から国教として認められており、2003年、ハイチのカトリック総長は、ヴードゥー教を公的な宗教とした。世界の17%の国家では、ヴードゥー教はまともな民間信仰として扱われているのだ。 あらゆるメジャーな世界の宗教の中には、多くの人々にとって信仰以上のもの、芸術、文化、哲学、舞踊、音楽、医療など、生活様式に深くかかわっている。ヴードゥー教をとりまく暗く謎めいたイメージは、異端的なものや認識不足などによって、よけいに助長され、正しい面を見過ごす結果になってしまっている。
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