「お前は奴隷だ」 8年前、14歳だったアーシィマ・ジャシムは告げられた。 周りの女性たちの話から、わかってはいた。自分もいずれ、そういう運命をたどるのだと。 「俺と一緒にいれば、年寄りの男にお前を売りはしない」 バラアと名乗る、20歳くらいの男はそう言った。どこにでもいそうな若者。ストレートの黒髪が、肩まで伸びていた。 その日、男は避妊もせず、アーシィマをレイプした。 泣き叫び、覆いかぶさる男を押し返し、逃げようとした。ただ、ただ、痛かった。 「言うことを聞かないなら、売り飛ばすぞ」。男はそう脅し、行為を続けた。失神しなかったから、今も鮮明に覚えている。 けがれてしまったと、自身に対する嫌悪感がわき上がった。浴室にあったひげそりで手首を切って死のうとしたが、止められた。 それでも男は、毎日のように強いてきた。 「相手が子どもだろうと関係ない。神をも恐れぬ男でした」 1年半、屈辱に耐えた後、
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