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ブックマーク / goldhead.hatenablog.com (115)

  • 阪神競馬場のうどん屋で詰められる - 関内関外日記

    仁川駅は思いのほか小さかった。この駅の最寄りに中央競馬の主要四場の一つがあるとは思えなかった。競馬場周辺の独特の空気がなかった。 しかし、競馬場はそこにあったのだから仕方がない。到着時にちょうど一レースの直線。仕込んでおいた馬券は負けた。おれはパドックに行く。 特徴的な屋根。 しかし、サラブレッドはどこでも美しい。この馬など、いかにもオルフェーヴルの子供という感じがするではないか。 世界のどの競馬場もつながっている。 馬がいて、騎手がいる。それを見ている数えきれない人生の敗者、そして一握りの勝者がいる。 ミルコ・デムーロがいる。うそだ。この日、ミルコ・デムーロは香港にいた。 パドックから建物をくぐり抜けるとそこにコース。なんとはなしに大井競馬場を思い出す。もっとも、おれが競馬場に出向いたのはいつ以来だろうか? とくに、中央競馬など、それこそオルフェーヴルの東京優駿以来ではないか? そんなこ

    阪神競馬場のうどん屋で詰められる - 関内関外日記
    doycuesalgoza
    doycuesalgoza 2018/12/11
    めっさワロタ >船橋の猫の人「にゃー」。本たのしみ。
  • おれの薄い本が出るらしいです。 - 関内関外日記

    おれの薄いが出るらしいので、宣伝というか、予告というか……。 dk4130523.hatenablog.com 現在公開できる情報は、こちらさまのエントリーがすべてですので。 なんというのか、自費出版ですらない。他費出版というのでしょうか。一人でも同人誌というのでしょうか。いや、お手伝いしてくれる方がいてのこと、というか、むしろ、おれは企画の時点からなにもしていないのですが。人任せで、なんなんでしょうか。 まあ、神輿は軽いほうがいいと言いますか、神輿が勝手に歩ける言うんなら歩いてみいや、と言いますか、おとなしく推移を見守りたい、と言いますか。いや、校正、校閲、印刷用画像処理をはじめとしたDTP、やれることはやりますので、はい。いや、なんなんでしょうか。 とうぜんのことながら少部数なわけですが、自分の文章が印刷されるのです。これは……おれにとっては一大事でもあり、一方で慣れてないことでもな

    おれの薄い本が出るらしいです。 - 関内関外日記
  • おれは、もうこんなところには居たくないのだけれど。 - 関内関外日記

    母方の祖母がこの夏を越せないかもしれないということで会いに行った。普段は自宅で介護されているが、今日はケアセンターのようなところにいるという。 まだ新しいケアセンター、のようなところ。エレベータに乗るにも、電子ロックを解除しなくてはならない。2階、祖母はといえば個室のようなところでもなく、職員室のとなりの物置のようなスペースに置かれたベッドに寝ていた。節電のためか室内は薄暗く、ときおり老人を載せたベッドが通路を通る。少し広いスペースでテレビを見ている老人たちもいる。話し声は聞こえない。 祖母は糖尿病とパーキンソン病とアルツハイマー病で、そろそろ誰が誰だかわからなくなっている。おれの名前を聞かされると、数回それを繰り返したが、さてどうなのかわからない。母のことをわかっているのかもわからない。たずねても、負けず嫌いのようで、決して「わからない」とはいわない。「うるさい、うるさい」といって横を向

    おれは、もうこんなところには居たくないのだけれど。 - 関内関外日記
  • 完全なる日没の帝国 - 関内関外日記

    われわれは完全なる日没の帝国から来た。 日没の帝国に朝日は存在しない。 日没の帝国に白昼は存在しない。 日没の帝国は曙光が人類を生んだとは考えない。 日没の帝国は夕焼けの中で人が人になったと考える。 日没の中で過ぎ去る今日を思い出す。 日没の中で今を知る。 日没の中で明日に気付く。 日没の中で、人類は人類になった。 日没の帝国は黄金の世界を尊ぶ。 日没の帝国は自由である。 日没の帝国は永遠である。 われわれは完全なる日没の帝国から来た。 われわれの帝国には夜もない。

    完全なる日没の帝国 - 関内関外日記
  • 20年以上も生きた猫が死んだはなし - 関内関外日記

    半分くらい夢だとわかっていた。一匹の三毛が半身を引きずるようにして目の前を通り過ぎていった。すこし長い縁側の向こうまで行くと、崩れ落ちるように座った。それは健康なの座り方でもなかったし、座った体勢もすこしおかしかった。そんな夢を見た。 携帯端末が音を出して、おれは目が覚めた。母からのLINEだった。弱っていた高齢のが旅立った、という話だった。 あの世へ旅立ったの名前は「ピーちゃん」だった。ある日、父が会社の人から二匹の子をもらってきた。オス(すぐに去勢手術を施したが)は「ミー」、メスの三毛が「ピー」だった。どういう経緯か忘れたが、PHSのPが由来だったと思う。おれが中学か高校のころのことだった。 ミーはやや太り気味、ピーはちょっと細めのだった。とくに乱暴でもなければ、臆病でもなく、いかにも普通のだったと思う。ほかののことはよく知らないけれど、典型的なだ、というように思

    20年以上も生きた猫が死んだはなし - 関内関外日記
  • 猫と本棚(ミーよ、やすらかに) - 関内関外日記

    先日、両親の家で飼われていたが死んだ。実家が失われる前、おれも一緒に暮らしていた。たしかおれがまだ高校生のころにうちに来たので、20歳は越えていただろう。大往生といっていいだろう。 goldhead.hatenablog.com は二匹いた。一匹は雌の「ピーちゃん」で、一昨年この世を去った。きょうだいである雄の「ミーちゃん」はそれから二年生きた。おれは一家離散のあと、に会いに行くこともなかった。 母がおれに、生前の「ミーちゃん」の写真をプリントしてほしいと頼んできた。ついでに、黄色かぶりしている写真を補正してほしいと。 写真は何枚かあった。そのうちの一枚が上の写真だった。日付を見ると、数年前の写真だった。おれの知っているミーだ。少し太り気味だが、顔はやけに凛々しい。直近の写真のなかのミーは痩せいて、まるで子に逆戻りしたかのようだった。 そして、この写真の後ろに写る棚を見て、実家

    猫と本棚(ミーよ、やすらかに) - 関内関外日記
  • 小田嶋隆『上を向いてアルコール』を読む - 関内関外日記

    上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白 作者: 小田嶋隆,木下晋也 出版社/メーカー: ミシマ社 発売日: 2018/02/26 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (7件) を見る おれはアルコール依存症なのか、そうではないのか、おそらくそうなのだろう。アルコール依存症は否認の病というか、おれはおれをアルコール依存症と認めたがる人間である。いつだったか、「月曜日から木曜日までは禁酒日」とか書いたような記憶もあるが、もうそんなのはすっかり忘れた。おれは双極性障害からくる、あるいは別のところからくる不安感を消すために、アルコールを摂取する、摂取する。そして、飲んで幸せになるかというと……。 でもじゃあ飲むと陽気になるのかというと、別に明るい気持ちになるわけでもありません。酒が切れて憂な状態と、意識の混濁した泥酔状態との、その振り子のあいだに一瞬だけ訪れる

    小田嶋隆『上を向いてアルコール』を読む - 関内関外日記
  • 夢と狂気の王国、スタジオジブリ - 関内関外日記

    「なぜ高畑勲さんともう映画を作りたくなかったか」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #1 ちょっと前に、こんな記事が話題になっていた。スタジオジブリ、鈴木敏夫、高畑勲、そして、宮崎駿。おれはものすごく突出してジブリが好きというわけではないが、標準的にジブリは好きだ。そして、なによりドキュメンタリー番組でなどで見る宮崎駿、アニメファンの間で語られる宮崎駿伝説などが面白くてしかたない。 というわけで、上の記事もたいへん興味深く読んだ。なかでもこの箇所が一番グッときた。 氏家さんは徳間書店の社長、徳間康快と同じ読売新聞の出身。経営者としても仲がよく、徳間の葬儀では弔辞を読んでもらいました。そのお礼を言いに訪ねていくと、氏家さんはしみじみと語りました。「徳さんはすごかったな。会社から映画まで自分でいろんなものを作った。あの人は物のプロデューサーだった。おれの人生は、振り返ると何もやってない。70年以上生き

    夢と狂気の王国、スタジオジブリ - 関内関外日記
  • 梅雨がおわり、夏がきた - 関内関外日記

    それは少し風の強い日だった。 時計の針が示す時刻に違和感があった。太陽の位置だけがただ正しかった。 ダ・エノシマ。 名のしれた観光地であったわりには、ずっと商売っ気がないと思って過ごしていた。おれの地元ではなくなって20年、商売っ気が出てきて、すこしつまらなく思うおれもいる。 日の有料の乗り物の中でも特異な地位を占めるエスカー。だれかが歌ったようにエスカーは揺れない。エスカーに乗るわれわれの心が揺れるのだ。 アイ・ワナ・ノウ。 ここらへんでオリンピックをやるらしい。児玉源太郎も神社で驚く。 いま、再びのエスカー。 いったい、この劇場なき芝居はいつ終わるのか。あるいは芝居なき劇場は。 私はいつ家に帰れるのだろうか。どこに、どうやって、いつ。 ―アルヴァロ・デ・カンポス 屋根の下で語り合おう、人類の悲惨について。 アオノリュウゼツランのそそり立つ花茎、そして江ノ島の……塔。愛称なんて覚えてな

    梅雨がおわり、夏がきた - 関内関外日記
  • サヨナラ・エノシマ・エキ - 関内関外日記

    こんなニュースを読んだ。 片瀬江ノ島駅90年ぶり新駅舎へ 老朽化、東京五輪向け|カナロコ|神奈川新聞ニュース おお、小田急の片瀬江ノ島駅が新駅舎になってしまうのか。これは今のうちに見ておかねばならない。そう思った。そういうおれは湘南モノレール沿線で育った人間であって、厳密にそれほど小田急の片瀬江ノ島駅と密接な関係にあったわけではない。あったわけではないが、おれの江ノ島が変わっていくのだ。 変わっていくのは小田急ばかりではない。おれの愛する湘南モノレールも変わってしまう。 湘南江の島駅舎工事のお知らせ | 湘南モノレール株式会社 そういうおれは片瀬山駅と大船駅を小学校の塾通いから中退した大学通いまで続けていた人間であって、厳密には湘南江の島駅に思い入れがあるわけではない。しかし、おれの江の島が変わっていくのだ。 ……面倒くさいが小田急は「江ノ島」でモノレールは「江の島」だ。ついでいえば江ノ電

    サヨナラ・エノシマ・エキ - 関内関外日記
  • ぼくの母校、ぼくの通学路だったところ - 関内関外日記

    おれは二つの「エノシマ」駅を見た。 goldhead.hatenablog.com そしてまたモノレールに乗ってすぐさま大船に帰ったのか? 否、だ。せっかくなので昔おれが通った小学校、通学路、そしておれの夜逃げするまえに家があった場所を見ることにした。 このようなことは以前にもしているが、そのときは自転車だった。今度は徒歩だ。 iPhoneGoogle Mapsw使う必要もない元地元。 と、思っていたら、案外わからんものよのう。でも、一方で、案外わかるものよのう。さっぱり景色に見覚えがなくても、「この路地では?」などと確信を持てない判断が下される。そして、それは大方合っていた。不思議なものだ。とくに龍口寺から小学校への道など、テリトリーとは言いがたかったのだが。 そして、小学校。……新しくなってねえのかよ。 新しく、なってねえなあ。 このステンドグラスっぽいのの一部を卒業記念に描かされた

    ぼくの母校、ぼくの通学路だったところ - 関内関外日記
  • おれには、はてなブックマークが必要だ - 関内関外日記

    fujipon.hatenablog.com こちらの記事に、おれはこう「はてなブックマーク」した。 「はてなブックマーク」廃止論 - いつか電池がきれるまで [はてな] おれみたいなバカにはさ、マスコミでも個人のでもいいけど、ある記事を読んでも、それだけだと不安だから、反論、疑問点、別の視点、欠けた部分、あるいは補強意見を一覧で読めるはてブねえと、怖くてネット見れん。 2018/06/28 15:17 字数制限ぎりぎりで書いたけど、書ききれていないような気がするので補記したい。 とはいえ、おおむね言いたいことは上の通りだ。ある記事がある。阿呆のおれは「ふむふむ」とそれを読む。阿呆だから仕方ない。でも、それだけだと不安だ。なぜならおれは完璧に世の物事を把握し、噛み砕き、理解する、知識ないしは知恵の体系を持っていないからだ。 だから、それに対する反論、疑問点、別の視点、欠けた部分、あるいは補

    おれには、はてなブックマークが必要だ - 関内関外日記
  • 殺すほどのことでもなければ、死ななければならないほどのことでもなかったはずなのに - 関内関外日記

    くだんの事件の話をする。とはいえ、おれは被害者である、はてなid:hagex氏と個人的にやり取りをしたこともなければ、実際にお目にかかったこともない。もちろん、容疑者と目される「低能先生」とも、だ。だから、以下に書かれることは、ひとりのはてなユーザー、当事者たちから少し離れたはてなユーザーの所感に過ぎない。 hagex氏は、いつ頃からかはてなで見かけるようになった。おれの方が古いユーザー、あるいは村民であるような気がしていた。ただ、それは観測範囲の問題、単なるおれの勘違いであって、彼の方が古参であることも充分にありうるだろう。 それはどうでもよい。彼が主にしていたことはネットウォッチだったと思う。だれとは言わぬが、ネット上の有名人の炎上などに駆けつけ、それをまとめている人、という印象だった。それ自体、品のいいことだろうか。そうではないだろう。しかし、そういうジャンルの割には、彼なりのライン

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  • サッカー - 関内関外日記

    『日書紀』皇極紀に「毬打うる侶」とあるように、「蹴る」はもとクウルあるいはクヱルといった。『梁塵秘抄』のなかの「舞へ舞へ」蝸牛、舞はぬものならば、馬の子や牛の子に蹴ゑさせてん」も同じ用法である。したがって蹴鞠はクヱマリであった。八つの母音がまだ生きていたころの美しい日語である。 ―澁澤龍彦「空飛ぶ大納言」 サッカー日本代表の試合を見た。ワールドカップを前にした、最後の練習試合である。そして、なにか久しぶりに活気ある日本代表を見たような気がした。Twitterを見ていると、「これってハリルホジッチがやろうとしていたサッカーじゃないか」というような声を二、三見かけたので、多分そういうことなのだろう。 それにしても、ワールドカップ戦の日の対戦相手も困ったものだろう。格下なのできっちりと勝ち点を取っておきたいところだが、何をやってくるかわからない。このパラグアイ戦だって、0-6くらいで負け

    サッカー - 関内関外日記
  • 何をどうしたら人並みに生きることができたのだろう? - 関内関外日記

    いまどき「人並み」といったところで、世の中の七割とか八割の人に「ああ、人並みね」と了解される「人並み」などないのかもしれない。しかし、昭和生まれのおれにはまだ一億総中流の幻想が頭から抜け落ちておらず、マイカーやマイホームの夢を見ることもある。いまやマイカーもマイホームも夢のまた夢だ。 とはいえ、昭和の「並」にはとどかないにせよ、この平成の世(あと何年続くかわからないが……え? あなた知ってるの? 未来人?)でも、やはり「並」はあるだろう。「大盛り」でもなければ「特盛り」でもなく、「並」いうものが。「ミニ」だの「ハーフ」だのはヘルシーさを伴うのでなんだが、ともかく「並」はあるんじゃないのか。 というわけで、何をどうしたらおれは人並みに生きられたのだろう、こんな「ライス」だけの生活を送って、先の見えぬまま死ぬのだろう。おそらくは、ひとり自殺するのだろう。なにかが間違っていたのだろう。 どこかで

    何をどうしたら人並みに生きることができたのだろう? - 関内関外日記
  • 酒を飲まずに観たおれはえらい - アニメ『夜は短し歩けよ乙女』 - 関内関外日記

    夜は短し歩けよ乙女 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 「夜は短し歩けよ乙女」 Blu-ray 通常版 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2017/10/18 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (8件) を見る 原作未読、関連シリーズ(『四畳半神話大系』)未見。が、これは傑作。そう思った。めくるめくアニメーションの動きの楽しさに酔うことができる。アニメーションのみが持つことができるであろうイメージの奔流、それがある。理性一枚はぎとったところに浮かんでは消える幻がある。悪くない。 それにしても、前半部分で主人公がガンガン酒を飲むところはいい。「おれも負けずに!」と思わずにはいられない。とはいえ、観たのは月曜の夜。おれの断酒日、月・火・水・木、その月曜日。水道水を飲みながら、画面に酔うことにした。これで酒を飲まないおれ、アルコール依存症予備軍ながら、や

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  • 『インド仏教はなぜ亡んだのか』そう、それが知りたかった……が!  - 関内関外日記

    インド仏教はなぜ亡んだのか―イスラム史料からの考察 作者: 保坂俊司 出版社/メーカー: 北樹出版 発売日: 2003/05/01 メディア: 単行 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る このところ釈尊、すなわちゴータマ・シッダールタの時代の仏教、原始仏教に関するを何冊か読んだ。読みながら、ふと思うことがある。「なんで今のインドは仏教国じゃないの?」。これである。これに関しては、南伝仏教というか、釈尊の仏教そのままだよというテーラワーダ仏教(上座部仏教)の……スリランカの僧も触れていない。 むろん、釈尊の教えを説くことと、ある国家(地域)でその宗派が亡んだことに直接の関係はない。後者は仏教の話というより、政治や軍事の歴史に属することだろう。でも、疑問に思っちゃうよな。だって、釈尊が「おれ覚ったよ」ってなったら、都市近郊にサンガ(僧の集団)を作って、乞(こつじき)を

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  • そろそろ酒に壊されてきた - 関内関外日記

    酒はいろいろなものを壊す。こないだも名声のあるアイドルが酒を原因の一つとしてすべてを失った。 おれには名声がない。名声はないが酒はある。おれの酒はおれの名声を壊しはしないが、身体を壊す。 医者にそう診断されたのか? 違う。もっと単純な、人間が古来より持っている機能。すなわち、単に身体の調子が悪いのだ。そしておそらく、いや、ほぼ確実に酒の飲み過ぎが原因だ。 そう自覚できるくらいおれは酒を飲んでいる。休肝日などというものはない(休肝日は酒を飲む総量を減らすという点ではいいが、それ以外は特段意味のあるものではないらしいが)。 おれは一人で酒を飲んでいる。一緒に酒を飲む友人などいない。 おれは部屋で酒を飲んでいる。外で酒を飲む金はない。 おれはつまみなしで酒を飲んでいる。つまみを買う金がもったいないし、つまみを作る時間が面倒だし、つまみで太るのも嫌だからだ。 おれは割物なしで酒を飲んでいる。酒が薄

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  • 「静かな」アルコール依存症予備軍が『酒乱になる人、ならない人』を読む - 関内関外日記

    酒乱になる人、ならない人 (新潮新書) 作者: 真先敏弘 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/12/01 メディア: 新書 購入: 15人 クリック: 235回 この商品を含むブログ (11件) を見る 先日こんな記事に目を通した。 k-tai.watch.impress.co.jp ……先日読んだから先日の記事かと思っていたら、2年前の記事だった。まあいい、そこでこんな風に紹介されていた。 まず、物凄く参考になったのが「酒乱になる人、ならない人」(Amazon.co.jpへのリンク)。掴みが強めのタイトルで購入してみましたが、遺伝子や脳のメカニズムのレベルでアルコール依存症を説明した先鋭的なでした。アルコール依存症研究の最先端なども紹介していて、専門的な要素が多くて少し読むのがタイヘンですが、非常に科学的で「そうだったのか!」と驚くことしきり。酒がもたらす脳に対する快楽がい

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  • I cannot fight the blues. - 関内関外日記

    断酒日を設けて三週間目に入る。おれの断酒日は月曜日、火曜日、水曜日、木曜日だ。その間は一滴もアルコールを口に入れていない。一滴もだ。 内臓が気持ち悪くなることがなくなった。日中もひどい状況になることはなくなった。いい事づくしだ、どうせなら酒などやめてしまえ……と言いたくもなるが、言えない。 ともかく、不安なのだ。なにが不安なのか? ではない、ともかくの不安がおれを襲うのである。おれが酒を飲んでいた後から就寝までの間、ひたすらに不安で、なにもできず、暗く沈んでいる。抗不安薬をボリボリべてもおいつきはしない。睡眠導入剤を飲んでも眠れない。 不安の原因はなにか? ないわけがない。生きてきた人生の後悔、職を失えば自殺するしかない未来、それらに対して無力な現在。これが漠然としたものならまだ莫妄想とでも言えようが、すべて具体的に存在している。しかし、もう手の打ちようがない。比喩として用いるに適切か

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