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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (165)

  • アジアに、アメリカに頼れない「フィンランド化」の波が来る

    フランスで行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で日米首脳会談に赴くトランプと安倍晋三首相(8月25日) Carlos Barria‐REUTERS <アメリカ一極支配によりアジアの安定が当たり前だった時代は去ろうとしている。これからは予見不可能なアジア、中国に従属するアジアの時代になるかもしれない。日もそうした将来への準備が必要だ> 1942年、米海兵隊が太平洋の島を舞台に日軍との終わりの見えない激しい戦闘を繰り広げていたころ。オランダ系アメリカ人の地政学者でエール大学の教授だったニコラス・スパイクマンは、アメリカと日が戦後、中国(当時はアメリカの重要な同盟国だった)に対抗して同盟を組むことになると予言した。 日アメリカにとって忠実かつ有用な同盟国になるだろうとスパイクマンは主張した。日糧や石油を輸入できるようにアメリカがシーレーン防衛にあたらなければならないものの、

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  • 「世界最悪の雑草」がカリフォルニア州を侵略する

    新種のタンブルウィードがカリフォルニア州とアリゾナ州を侵略する、と研究者(写真は2014年、ニューメキシコ州) U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN ERICKA ENGBLOM <ロシア系とオーストラリア系の外来種を掛け合わせて生まれたハイブリッド種はサイズも繁殖スピードもモンスター級> 西部劇などでよく登場する、荒野をコロコロ転がる草。あのタンブルウィード(転がる草、回転草ともいう)が米カリフォルニア州の複数の地域で大繁殖している。それも、高さ2メートルまで巨大化することもある新種だ。科学者たちは、気候変動の影響で草が育ちやすい条件が揃っていることから、今後さらに増える可能性があると警告している。 <ひと目見ればわかるタンブルウィード> カリフォルニアで初めてこの種が確認されたのは2002年。ロシア中国が原産の種と、オーストラリアと南アフリカが原産の種が掛け合わさ

    「世界最悪の雑草」がカリフォルニア州を侵略する
  • 中国記者暴行で虎の尾を踏んだ香港デモ

    中国の国営メディアは香港のデモ隊を「テロリスト」と言い切り、西側の手に渡るのを決して看過しない、と宣言した> 中国共産党系の新聞「環球時報」は、中国メディアの記者がデモ隊に拘束され殴られる動画が公開された8月13日、日増しに暴力的になる香港のデモは、香港を北京中央政府から分離独立させる試みだと厳しく断じた。 ネット上で広く共有された動画には、「私は警察を支持する」と叫ぶ男性が、デモ隊に殴られる様子が映っている。香港国際空港で警察とデモ隊が激しく衝突するなか、警察官と疑われ、手足を結束バンドで拘束された。この男性は後に、「環球時報」の付國豪記者と確認された。環球時報の編集長、胡錫進編集長は、付は「報道以外、なんの任務も負っていなかった」とスパイ説を否定し、彼の解放を求めた。 およそ1時間後、胡は警察が付に接触したことを報じ、「記者に対するあらゆる暴力行為を非難する」とツイートした。環球時報

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  • 未成年性的虐待の被告の大富豪が拘置所で怪死、米メディアが大騒ぎする理由

    <拘置所内で死亡したエプスタインの交友関係には、トランプ、ビル・クリントン、英アンドルー王子も> 著名な億万長者であると同時に、多くの未成年女性を人身売買や性的虐待の対象とした容疑で逮捕・起訴されたジェフリー・エプスタインと言えば、アメリカではここ数カ月にわたって新聞やテレビのニュースで大きな話題になっていました。 もちろん、容疑そのものが悪質だったこともありますが、同時にエプスタインの交友人脈の中にビル・クリントンやドナルド・トランプの名前があることから、大規模な政治スキャンダルに発展する可能性があり、関心が高まっていたのでした。 先月7月6日に逮捕されてから、エプスタインをめぐって様々な動きがありました。7月の時点で問題になったのは弁護人からの保釈請求でした。弁護人サイドは、6000万ドル(約630億円)の保釈金を積んで、エプスタインの身柄を未決囚用の拘置所から自宅軟禁に移そうとしたの

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  • 「日本のお笑いって変なの?」をパックンが外国人3人と激論しました

    (左から)パックン、周来友、チャド・マレーン、ナジーブ・エルカシュ ILLUSTRATION BY KAZUSHIGE AKITA FOR NEWSWEEK JAPAN <外国と日のユーモアはどう違うのか。なぜ日には政治ネタのお笑いがないのか。パックン、周来友、チャド・マレーン、ナジーブ・エルカシュの4人で「研究」した> 8月6日発売のニューズウィーク日版「パックンのお笑い国際情勢入門」特集(8月13&20日号)で、「世界の政治を題材に日の読者を笑わせる」という難題に挑んだパックン(パトリック・ハーラン)は、6月下旬のある夜、取材の一環として、3人の在日外国人を都内某所に呼び集めた。 中国人のジャーナリストで実業家、タレントでもある周来友(しゅう・らいゆう)さん(56)。吉興業所属のお笑い芸人で、『世にも奇妙なニッポンのお笑い』(NHK出版新書)の著書もあるオーストラリア出身のチ

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  • 山本太郎現象とこぼれ落ちた人々

    <反緊縮・反エリートを掲げる「れいわ新選組」は、日に左派ポピュリズムを根付かせるのか> 7月4日午前10時過ぎ――。参議院議員選挙が公示されたこの日、通勤の混雑が一段落した新宿駅はもう1つのラッシュアワーに見舞われていた。立憲民主党の枝野幸男代表が、躍進を果たした前回17年の衆議院議員選挙と同じ東南口でマイクを握り、西口では共産党の志位和夫党委員長が東京選挙区での議席確保を目指し声を張り上げる。そして午前11時、西口地下では山太郎率いる政治団体「れいわ新選組」も街頭演説の準備をしていた。カメラの数は既成政党のそれと比べても大差ない。 政治家というより、ロックスター然としたデニムジャケット、白のTシャツ、細身のパンツにスニーカーといういでたちの山が登場すると、集まった支援者は大きな拍手を送った。 「今の政治は皆さんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が

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  • 香港の若者は、絶望してもなぜデモに行くのか

    香港・新開地区の商業施設で、警官隊のペッパースプレーを浴びるデモ隊(7月14日) Tyrone Siu-REUTERS <どんなに抵抗しても、香港の自由は中国にどんどん奪われてきた。それでも戦い続ける若者たちの思いとは> 香港のデモが止まらない。香港政府が提案した、刑事事件の容疑者を中国に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正への反対デモは、6月9日に103万人、16日には200万人規模に達した。このデモでは特に、若者たちの活発さが目立つ。こうした大規模デモのほか、6月12日には香港の議会である立法会を包囲して警官隊と衝突となり、催涙弾やゴム弾での鎮圧を受けて多数の負傷者を出した。7月1日にはとうとう立法会に突入した。デモは7月下旬に至っても毎週続けられている。 日も参議院議員選挙の投票日を前にしているが、前回2016年の参院選の20歳代の投票率は35.6%と、同じ東アジアにありなが

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  • ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

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  • 【百田尚樹現象】「ごく普通の人」がキーワードになる理由――特集記事の筆者が批判に反論する

    <大反響を呼んだ特集「百田尚樹現象」で、筆者の石戸諭氏は百田氏を「ごく普通の人」と位置付けたのか。ジャーナリスト・津田大介氏執筆の朝日新聞「論壇時評」に、石戸氏が訂正を申し入れた理由と、「ごく普通」に込めた意味> 「すべてのことが終わり、語られた後では、『理解』という唯一の言葉が、われわれの研究の探照灯なのである」――。 クリストファー・R・ブラウニングの歴史書『増補 普通の人びと――ホロコーストと第101警察予備大隊』(ちくま学芸文庫、2019年。原著初版は1992年)のなかで印象的に引用された、歴史家マルク・ブロックの言葉です。 5月28日に発売したニューズウィーク日版で私が取材、執筆を担当した「百田尚樹現象」に多くの反響が寄せられ、およそ考えられない量の感想をいただきました。多くの賞賛ととともに、少なくない批判をいただきました。 ある著名なジャーナリストは「百田尚樹を取り上げるべき

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  • タンカー攻撃、イラン犯行説にドイツも異議あり

    Germany Joins Chorus Casting Doubt on Trump Administration Claims on Iran <ホルムズ海峡の近くで起きた石油タンカー攻撃について、イランの仕業だというのはまだアメリカとイギリスだけだ> ホルムズ海峡近くのオマーン湾で6月13日に石油タンカー2隻が攻撃を受けた事件について、アメリカは「証拠」を上げてイランの仕業だと強硬に主張している。だが、ドイツのハイコ・マース外相は14日、米政府の証拠に疑問を呈した。 攻撃を受けたのは、日とノルウェーの石油タンカー。事件はまさに日の安倍晋三首相がイランとアメリカの緊張を和らげるためにイランを訪問していたときに発生した。 米海軍はその後映像を公開し、イラン革命防衛隊のメンバーが深夜にタンカーに接近し、不発だった機雷を撤去しようとしている場面だと説明した。米政府はこの映像をイランの関与

    タンカー攻撃、イラン犯行説にドイツも異議あり
  • 年金問題「老後に2000万円必要」の不都合な真実

    <金融庁の報告書をめぐり「政府の責任放棄」だと批判が殺到。「100年安心」とは何だったのか。日の年金の現状を解説する> 金融庁が公表した資産形成に関する報告書が波紋を呼んでいる。正式版に先立ち公表された報告書案に「30年で約2000万円が必要」「公的年金だけでは生活水準が低下」「自助の充実」といった記述が盛り込まれていたことから、「政府は責任を放棄するのか」などの批判が殺到。 慌てた金融庁は正式版で年金減額に関する表現を一部変更したが(2000万円についてはそのまま)、麻生金融担当相は、有識者に報告書作成を依頼する立場でありながら(国民に)「誤解と不安」を与えるとしてこれを受理しないという前代未聞の事態となった。 報告書では、各種統計から得られた老後世帯(夫婦世帯)の平均的な収入と支出から収支を計算。ひと月約5万円の赤字になることから30年で約2000万円の貯蓄が必要と結論付けたが、これ

    年金問題「老後に2000万円必要」の不都合な真実
  • 安倍首相はイラン訪問で日本の国益と国際社会の安定のために勇気を示した

    イランの最高指導者ハメネイ師(右)、ロウハニ大統領と会談する安倍 OFFICIAL KHAMENEI WEBSITE-REUTERS <単なる「子供の使い」ではない。米・イラン間の緊張緩和は実現できなかったが、日米関係強化と日の影響力拡大という成果はあった> アメリカとイランとの緊張緩和を目指し、6月12~14日にイランを訪問した安倍晋三首相をどう評価すべきなのか。無駄足に終わった「子供の使い」か、世界の安定のためにあえてリスクを取った一流の政治家か。 私見では、安倍は日の国益と国際社会の安定のために、侮られたり笑いものになることを恐れない勇気を示した。 最高指導者ハメネイ師とイラン政府の考えはともかく、少なくともイランの一部勢力は安倍の訪問に合わせてペルシャ湾で2隻のタンカーを攻撃した。ただし、そこに込められたメッセージは、安倍ではなくトランプ米大統領に向けられたものだ。 イランは中

    安倍首相はイラン訪問で日本の国益と国際社会の安定のために勇気を示した
  • ハワイで旅行者がヒトの脳に寄生する寄生虫にあいついで感染

    普段はネズミに寄生する住血線虫症 日人も大好きな南の楽園ハワイで、旅行者が相次いで寄生虫に感染しているとして、ハワイ当局が注意喚起している。この感染症は、普段は自然に治癒するとされているが、昨年ではオーストラリアで死亡した例もある。 ハワイ州保健局は5月23日、「ハワイ島を訪れた旅行者が広東住血線虫症に感染した」と声明を発表した。今回感染が分かったのは3人で、全員が米国土で暮らす成人だが、それぞれ感染経路も感染時期も異なるようだ。 広東住血線虫症とは、寄生性の線虫である広東住血線虫を原因とする感染症で、米ニュースサイト、アーズ・テクニカによると、普段はネズミの肺に生息しており、そこで卵を産む。ふ化した幼虫がネズミの体内を移動して喉まで来ると、ネズミはそれを咳とともに吐き出して飲み込む。 こうしてネズミが飲み込んだ広東住血線虫の幼虫は最終的にフンとして外に出るが、カタツムリやナメクジがそ

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  • 外国人季節労働者不足で、ドイツの旬の味覚、白アスパラガスの危機

    ドイツではシンプルに茹でただけでされることが多い白アスパラガス。ジャガイモなどがたっぷりと添えられる(Photo:Hideko Kawachi) <初夏の美味としてドイツで愛されている白アスパラガス。だがドイツ人がやりたがらないキツく賃金の安い収穫作業を請け負う他国からの季節労働者が減り、人手不足のため収穫ができないという事態に陥っている> ドイツの初夏の味覚といえば野菜の王様と呼ばれる白アスパラガスだ。とろけるような旬の美味を楽しみにしているドイツ人は多い。しかしその収穫が、いま危機にさらされているという。 その年の天気にもよるが、5月になれば必ず、郷土料理のレストランの店先には「シュパーゲル(ドイツ語で白アスパラガス)あります」という看板が立ち、市内に農家の直売所が現れる。伝統的に聖ヨハネスの日(6月24日)が地物のアスパラガスのシーズン終了の日と決められていることも、旬の味としての

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  • 【独占】見城徹「やましいことは一切ない」──『日本国紀』への批判に初言及

    <コピペや盗用が指摘される百田尚樹の65万部ベストセラーについて、版元である幻冬舎の見城徹社長が初めて口を開いた> 百田尚樹の『日国紀』は、65万部のベストセラーとなった一方で、インターネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」からのコピペや他文献からの盗用を巡る指摘が後を絶たない。版元の幻冬舎は昨年11月の初版発売から重版を重ねるたびに、公表することなく修正も繰り返している。 5月28日発売のニューズウィーク日版「百田尚樹現象」特集で、幻冬舎社長・見城徹が『日国紀』を巡る一連の問題について、初めてインタビューに口を開いた。 インタビューは5月10日、東京・北参道の幻冬舎社内で収録した。なお、小説家の津原泰水が、『日国紀』を批判したことで、作品を幻冬舎文庫から出版できなくなったと公表するのはこのインタビュー後なので、その点についての質問はない。計20ページに及ぶ「百田尚樹現象」特集

    【独占】見城徹「やましいことは一切ない」──『日本国紀』への批判に初言及
  • メイの有力後継候補ジョンソンはヤバい?「合意なき離脱」率25%に

    Donald Trump’s Friend Boris Johnson Set to Become U.K. Prime Minister Imminently <メイが遂に辞任して、ブレグジット強硬派のジョンソン前外相が次期首相になれば、イギリスはますます厄介なことになる可能性が高い> ブレグジットをめぐる混乱でテリーザ・メイ英首相の政治生命はほぼ終わったようにみえる。メイ辞任後の後継候補は、首相就任を生涯の野望としてきたボリス・ジョンソン前外相だ。ドナルド・トランプ米大統領とも仲がいいことで知られる。 昨年7月にメイのEU離脱協定案に反対して外相を辞任したジョンソンは、保守党の中では最有力の次期首相候補で、ブックメーカー(賭け屋)でも一番人気だ。上流階級出身でロンドン市長の経験もある。変わり者で親しみやすく、イギリスの独自性を体現する政治家だが、それだけにEUに対する恨みは強く、「合意

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  • エスカレーター「片側空け」の歴史と国際比較

    <首都圏や関西のエスカレーターで定着した「片側空け」の慣習は、必要以上の混雑や威嚇行為につながっている。「恐怖」が支配する現状は、一度リセットした方がいい> 駅などのエスカレーターで、立って乗る人は左側に寄り、右側は歩いて上る人たちのために空けておく慣習が東京で広まったのは1990年代半ばのことのようだ。 初めてその光景を見た時、私は日でもこういう慣習が広まって良かったなと思った。それ以前には、約束の時間に遅れそうになっているときに、混み合ったエスカレーターでイライラしたこともたびたびあり、当に急ぐときは階段を駆け上がっていた。ロンドンの地下鉄では立つ人はエスカレーターの右側に乗り、左側は急ぐ人が歩くというマナーが定着していると新聞で読んでうらやましいと思った。 だが、最近10年ぐらいはこの「片側空け」はやっぱりやめてほしいと思うことが多くなってきた。急いでいきたいという気持ちが弱まっ

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  • 有名画家の伝説に疑問? ナチスへの傾倒が明るみに出て、メルケル首相もエミール・ノルデ作品を排除

    ノルデがナチスに傾倒していたと思われる時期のバイキングがモチーフのとした水彩画「女主人とよそ者」1938年 © Nolde Stiftung Seebüll, Foto: Dirk Dunkelberg, Berlin <ベルリンでドイツの画家、エミール・ノルデの大規模な展覧会が開催されている。ナチスに迫害されたと芸術家として知られてきたノルデだが、この展覧会では最近の研究からわかったナチスへの深い傾倒の事実に焦点を当てており、反響を呼んでいる> 4月12日から、ドイツ表現主義を代表する画家エミール・ノルデの展覧会が、ベルリンの現代美術館ハンブルガー・バーンホフで始まった。開幕の直前、アンゲラ・メルケル首相は、自分のオフィスに飾っていたエミール・ノルデの「くだけ波」「花の庭」の2作品を取り外したと、ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレや独ターゲスシュピーゲル紙など数々の媒体で大きく報道され

    有名画家の伝説に疑問? ナチスへの傾倒が明るみに出て、メルケル首相もエミール・ノルデ作品を排除
  • 「美人銭湯絵師」の盗作疑惑に見る「虚像」による文化破壊

    <湯気の向こうに揺れる富士山を眺めながら露天風呂気分に浸る─。消えゆく昭和の庶民文化の一つに数えられる銭湯の「ペンキ絵」の界隈で、過去最大級の盗作疑惑がインターネット上で炎上している。3人しかいない銭湯絵師の1人の愛弟子を名乗っていたアーティスト兼モデルの勝海麻衣(かつみ・まい)氏(25)の作品のほとんどが、実は他の作家の作品の「パクリ」だったという衝撃的な疑惑だ> ライブペインティングの絵が著名イラストレーターの作品に酷似 勝海麻衣氏は、東京芸大の現役大学院生として絵画やデザインを学びながら、モデル業もこなすマルチタレント。アップル・コンピュータのCM出演などメジャーな実績もある売出し中の若手だ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒で、卒業制作の人物群像のインスタレーション作品で優秀賞を獲得。その作品による個展も開いている。メジャーバンドのCDのジャケットデザインを手がけるなど、グラフィ

    「美人銭湯絵師」の盗作疑惑に見る「虚像」による文化破壊