ゲームソフトのパッケージ販売に絞っていた任天堂が7月下旬に一部ソフトのダウンロード販売に踏み切った。ソーシャルゲームの台頭でダウンロード販売が浸透するなか、方針転換は不可避な情勢だったが、家庭用ゲームに不慣れな利用者も多いようで、浸透は今ひとつという指摘がある。任天堂は「ダウンロード販売は順調に伸びている」と強調するが、小売店は困惑を隠せず、任天堂の業績回復の起死回生策になるかは不透明なままだ。 任天堂がダウンロード販売を始めた背景にあるのが商品の「在庫リスク」だ。パッケージ販売は、小売店が在庫消化のために販売価格を下げることが多く、同社の収益悪化の原因になったきた。インターネット上で価格比較が可能になったことも価格下落に拍車をかけた。 今年6月の株主総会では岩田聡社長が「在庫リスクが以前にも増して難しい問題になっている」と発言。ダウンロード販売の参入は「当然の流れ」(関係者)だった。 現