日本で働き、オーストラリアで家族と過ごす「往復生活」をしている小島慶子さん。子育ても終盤にさしかかり、「これまでとは違う一歩」を踏み出しつつある小島さんが、新たな気づきや挑戦を語っていきます。今回のARIAな一歩は、「次男との旅」。 窓枠に、探していた子猫が爪を立ててぶら下がっている。それを見下ろす次男と私。次男は小学校高学年か、中学生ぐらいだ。子猫は今にもはるか下の地面に落ちてしまいそう。次男のためになんとしても捕まえなきゃと私は身を乗り出す。両手に猫を包んで引き上げようとしたその瞬間、ハッとした。いかん、次男に任せるべきだった。猫を助けたがっているのは彼だ。彼が猫の救出を経験する機会を奪ってはいけなかったんだ。目覚めてからも、しばし夢の反省をしていた。 なんでそんな夢を見たかというと、たぶん先日大学生の次男とビデオ通話で話した時に、彼が猫を飼いたいと話していたからだ。次男は今、親元を離