学校法人加計学園を巡る問題で、一連の内部文書は本物だと証言した先日の前川喜平・前文部科学事務次官の記者会見に私も行ってきた。 報じられている通り異例の会見だった。だが実は、私が一番驚いたのは会見の終盤で記者の方から次の質問が飛び出したことだった。 「こういった在職中に知り得たものを明かすのは(国家公務員法の)守秘義務違反に当たらないかという指摘もされると思うんですけど」 読売新聞の記者だった。前川氏側の答えは「ノーコメント」で終わってしまったから、記者がなぜ、その質問をしたのか意図は分からない。しかし、その守秘義務の壁と私たち記者はずっと戦ってきたのではなかったか。それを記者が問いただす時代になったとは--と驚いたのだ。