甲子園の「21世紀枠」は選抜名物ともいうべき推薦枠で、21世紀最初の年にあたる2001年から始まった。文武両道、質実剛健、地元密着の部員構成、被災地や離島、部員不足、廃校の危機を乗り越えて…。高野連による選出理由はさまざまだが、候補になりながら最終的に選から漏れた学校との違いが必ずしも明確ではない。「21世紀枠の役割は終えている」という声も聞こえる中、決して公平中立とはいえない「特別枠」をいつまで続けるのか。 「古豪復活」の聞こえはいいが… 今大会の21世紀枠は豊橋工(愛知)、桐蔭(和歌山)、松山東(愛媛)の3校だった。桐蔭と松山東は全国的に「古豪」として知られる高校野球の名門だ。桐蔭は旧制和歌山中時代、選抜の第1回大会(1915年)に出場した。また、今大会、初戦を突破して何度も見せ場を作った松山東は、夏目漱石の代表作「坊っちゃん」の舞台として知られ、明治の俳人・歌人、正岡子規が野球部の創