人のへその緒にある臍帯血(さいたいけつ)の白血球から独自方法で培養した細胞が、がん細胞内に入り込んで内部から細胞を死なせる性質があることを確認したと、林原生物化学研究所(岡山市北区)が15日発表した。5〜6年後をめどに臨床試験を始めたいとしている。 この細胞はリンパ球の一種で、同研究所が「HOZOT(ホゾティ)」と命名。がん細胞を殺したり免疫抑制したりする作用を持つとして、臨床応用への研究を進めてきた。 その中で、ホゾティが、がん細胞内でともに死んでいるのを発見。関連性を調べたところ、ホゾティが積極的にがん細胞内に入り込むことを見つけたほか、自分が死ぬと同時にがんを死に至らせる活性物質が漏れ出しているのが確認された。 胃がん細胞で十数%、乳がん細胞なら20%以上の高い確率で入り込み、正常細胞には侵入しない性質も発見。ホゾティが生きている間は、がん細胞の生存率が高いことも実験で判明したという