人類の活動による二酸化炭素の排出が現在のペースで続くと、日本近海のサンゴが2070年代に危機的な状況に陥るという予測を、国立環境研究所(茨城県つくば市)が9日、公表した。 大気中の二酸化炭素が海水に溶け込んで海水の酸性化が進むことと、海水温の上昇が影響するという。 同研究所の山野博哉主任研究員らは、現在の二酸化炭素の排出量が将来も同じ量で続くと仮定し、日本近海の2090年代までの海水の状態と、サンゴの生息域の関係を調べた。その結果、海水温が上昇してサンゴの生息域が北に広がるよりも、海水が酸性化してサンゴが育たない海域が南下するペースが速く、70年代に本州沿岸でサンゴの生息域はなくなるという。