国土交通省は10日、東京都の23区と武蔵野市、三鷹市の営業区域で始まった「初乗り410円」タクシーの利用動向を発表した。 従来の初乗り運賃だった730円までの利用が導入前より約9%増えたほか、410円で乗ることができる1・052キロ・メートル以内の利用も約23%増えた。近距離の買い物や通院など「ちょい乗り」需要の喚起に一定の効果があったとみられる。 一方、新運賃が導入された1月30日以降の1週間で、国交省所管の公益財団法人「東京タクシーセンター」に寄せられた苦情が102件あった。このうち12件は、短距離利用者への運転手の接客マナーに関するものだった。新運賃は、従来の730円で乗れた約2キロ・メートルまでは値下げになるが、約6・5キロ・メートル以上では値上げになる。運賃収入を上げたい運転手が短距離利用者を避けるとの懸念もあり、国交省は業界にマナー向上を求めている。