オリンパスの調査委員会報告書は要約版をざっと読んだのですが、印象に残ったのは報告書がJ-Soxの枠組みにのっとってオリンパスの内部統制を評価していたこと。 J-Soxに基づく全社的内部統制の整備は、制度導入時にもともとそれぞれの会社にあった制度をリファインしながら監査法人のOKが出る程度の及第点をとろうという形で導入したところが多いと思います。ただ、一度枠組みとしていろんな基準が出されると、評価の枠組みとしてはとても便利なものになってしまい、「教科書どおり」に形を整えたはずが、その教科書が今回は断罪する側のテキストになっているという笑えない感じもします。 逆にその分J-Soxの枠組み・用語に見られる「よそ行き」感が調査報告書にも出ている感じもしなくはありません。 たとえば飛ばしのスキームとそれを阻止できなかった態勢については言及しているものの、関与した外部の関係者を含む背景事情についてはス