トヨタのカンパニー制はその後成果を上げているのか?:池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ) 中嶋: われわれ技術屋は、トヨタの本社ビルの上でふんぞり返って、伝言ゲームで伝わってくる顧客の声を聞いて、顧客第一主義だとか言っていたわけです。エンジニアが現場を見ていない。だから伝達の段階でニュアンスが変わったり、本当のエンドユーザーでなく販売店さんの声を聞いて分かった気になったり、あるいはそもそも伝わってこなかったりすることが起きるのです。だからわれわれ自身が現場に出て直接見るように変えました。そうするといっぱい気付きがあるんです。「あれ? 今まで何してたんだろう?」。 池田: エンドユーザーの声を受け止めるための仕組み作りなどはされたのですか? 中嶋: 例えば、フリート販売(大口販売)の営業部隊にエンジニアを出向させます。これまでだと人事的に補償を求めたりしてました。1人出すから