上下水道の料金を引き上げる自治体が相次いでいる。水戸市が今年度から水道料金を平均7・9%の値上げに踏み切ったほか、埼玉県秩父市は10月に条例を改正して平均17・5%引き上げを決めた。神奈川県横須賀市も10月から下水道料金を平均17%値上げした。いずれも老朽化した浄水場や水道管の改修費をまかなうためだと説明する。加えて、人口減少や節水で水道事業の採算が悪化していることも影を落としている。 「子々孫々の代まで安定した給水を行っていくためには今後、必要な改修工事に向けて、どうしても値上げが必要だ」 水道料金引き上げを決めた秩父市の久喜邦康市長は理解を求める。市の水道事業は大正13年に埼玉県内初の水道として誕生。県の総面積の15%(578平方キロメートル)を占める市の水道管総延長は約600キロメートルに達する。東京−大阪間に匹敵する長さだが、継ぎ目などの水漏れもあり、浄水場から利用者に届くまで