白い磁胎に精緻な象嵌が施された美しい茶道具。茶壷は手のひらで包める程の大きさですが、その精巧な造りと緻密な模様が特徴で、まるで上質な雛道具のように解像度の高いミニチュアの世界を思わせます。岐阜県瑞浪市にお住いの色原昌希さんと西野希さんご夫妻によるものです。ご主人の色原さんが器本体を作り、奥様の西野さんが象嵌をはじめとする装飾を手掛けた共作です。お二人はそれぞれ独立した作家として活動していますが、今展では共同作品と個別の作品をご覧頂けます。色原さんは四国で生まれ育ち、大学で工学部を専攻。卒業後は2年ほど社会人の経験を経て、岐阜県多治見市陶磁器意匠研究所で陶芸を学びました。一方、西野さんは東京八王子生まれで、高専でプロダクトデザイン、美大でサステナブルデザインを学びました。卒業後は同じく意匠研に入り陶芸を習得しました。二人はそこで出会い、修了後にはそれぞれ陶磁器メーカーや製陶所で業務用食器のデ
