2017年9月1日、パシフィコ横浜にて行われた開発者向けカンファレンスCEDEC 2017にて、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のサウンドデザイン担当者がその開発経緯を語った。登壇したのは、任天堂企画制作部サウンドディレクターの若井淑氏と、企画制作部サウンドプログラマ―の長田潤也氏だ。 両氏はまず、同作で使用されている音源を「オープンエアーサウンド」と定義し、その要は「環境音」であると語った。同作の環境音は、画面に映し出されているものにとどまらず、目に見えない要素をも表現するものだ。たとえば、風の音、鳥の鳴き声、川の流れなどである。視界の外にあるこういった要素を追求することで、世界観の強化が行われているという。 たとえば、グラフィックで描かれることのない虫の鳴き声は、主人公リンクを中心にhex座標を展開することで立体感を表現した。同じ方向に重複した音源のうち、ひとつを進行方向の