97年度第2講 ゾウリムシの生命サイクル 概要: ①最も身近で「単純な」単細胞生物の一つであるゾウリムシでさえ、性的な多細胞生物とよく似た生命サイクルのパターンを示します。 ②ゾウリムシの生命サイクルのタイミングは、単なる物理的時間の経過によって決められているのではなく、生命活動の量(特に、細胞周期の回転数)によって決められています。 ③ただし、それが一日のうちのどの時刻におきるかは概日リズム(⇒概日リズムと発生・成熟時計)によって決められています。 ゾウリムシは繊毛虫(門、綱)に属するプロチストで、同じ繊毛虫テトラヒメナよりも大きく、顕微操作(核の移植や微小電極の挿入、顕微注射など)が容易なため細胞生物学のモデル的生物となっています。ゾウリムシには後生生物と同じような生活史があり、接合によって誕生してしばらくは接合能力のない未熟な状態ですが、細胞分裂を繰り返しているうちにやがて性的に成熟