2014年03月03日19:06 カテゴリ法/政治 憲法は憲法違反か さっきの記事のおまけ。「憲法は憲法違反だ」という自民党議員の話はナンセンスだ。1947年当時はまだ交戦状態だったので、戦勝国が日本を支配して憲法を制定したのは当然で、彼らが日本の憲法に従う義務はない。しかしこれは単なるお笑いネタではなく、ここには(彼は知らないだろうが)近代国家のパラドックスが含まれている。 立憲主義とは「憲法で国家権力を拘束して個人の権利を守る」という思想だが、憲法を制定するのは国家だから、これは「国家が制定した憲法で国家を拘束する」という循環論法になる。国家が自分を拘束する憲法をつくるとは考えられないので、憲法を制定する国家=立法府と憲法で拘束される国家=行政府をわけ、両者が対立した場合は司法が判断するのが三権分立の思想である。 しかし日本の場合は司法機関の長である最高裁判所長官を任命するのは内閣総理