米国初の金融危機によって、株を上げたのが日本。といっても「株価」でなくて「声価」のことだが、プライムローンで満身創痍となった米国のメガバンク(巨大金融機関)を日本の銀行、証券会社が助けるという構図をはたして誰が予想した?▼米国証券二位のモルガン・スタンレーに三菱UFJフィナンシャル・グループが出資し、筆頭株主に躍り出た。まさに事実は小説より奇なり。イワシがクジラを飲み込んだのだ。持ち株が20%に達すればモルガンは傘下のグループ会社となる(産経)▼一方破綻したリーマン・ブラザーズのアジア部門を野村ホールディングスが買収すると発表した。こちらはアジアを代表する投資銀行を目指すためにリーマンのノウハウと顧客とネットワークを手に入れることが早道と考えたようである。これは救済だからM&A(企業の合併、買収)よりは体面もいい▼三菱も野村もサブプライムローンでは少なくない損をしているが、しかし米国のメガ