富士フイルムグループの富山化学工業(東京、菅田益司社長)が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」が、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の治療への利用に期待が高まっている。治療薬は富山事業所(富山市下奥井)で開発が進められた。細胞内でのウイルスの増殖を阻止する効果があり、エボラ出血熱でも、感染抑制につながる可能性がある。エボラ出血熱の治療に活用されるまでには、臨床試験や承認が必要となり、通常は数年かかるが、世界的な感染拡大から米国政府機関が手続きを迅速化させる動きもある。 ファビピラビルは、富山化学工業が富山事業所で、抗ウイルス剤の研究によって見いだした。白木公康富山大大学院医学薬学研究部教授との共同研究で、動物実験での有効性を確認した。 ファビピラビルは、これまでのインフルエンザ治療薬とは異なる作用メカニズムを持つ。タミフルなどの既存薬は増殖したウイルスを細胞外に放出できない
ポイント 音声可視化装置で発声のタイミングと位置を測定 観測した発声のタイミングと位置を数理モデルで解析 昆虫など夜行性で音声を発する動物の行動研究への応用に期待 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、日本全域に生息するニホンアマガエル(以下、アマガエル)の合唱には法則(パターン)があることを、音声可視化装置と数理モデルを利用して発見しました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)脳数理研究チームの合原一究基礎科学特別研究員と、京都大学情報学研究科の奥乃博教授、東京大学生産技術研究所の合原一幸教授らの共同研究グループによる成果です。 春になると、多くのアマガエルが水田で鳴き交わしているのを聞くことができます。しかし、アマガエル同士が、お互いに発声のタイミングを変化させながら、どのように影響を及ぼし合っているかは、個体ごとの発声のタイミングと位置の測定が難しいこともあって
インド・ハイデラバード郊外の水田で行われる田植え(2011年7月20日撮影、本文とは関係ありません)。 【AFP=時事】通常よりも深く根を張るイネの開発に成功したという日本の研究チームによる論文が4日、科学誌ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)に発表された。これにより、従来のイネを全滅させるほどの干ばつでも、高い収穫量を維持できる可能性があるという。 パンコムギのゲノム解析に向け一歩前進(2012年) 茨城県つくば市(Tsukuba)にある農業生物資源研究所(National Institute of Agrobiological Sciences、NIAS)の宇賀優作(Yusaku Uga)主任研究員らの研究チームは、深根の陸稲「Kinandang Patong」から、深根性に関わる遺伝子「DR01」を特定し、アジアで広く栽培される浅根の水稲品種「IR64」に導
予てより携帯電話の健康被害が懸念されてきたが、国際がん研究機関(IARC)はこの度携帯電話を「発癌性が疑われるものカテゴリー2b」に加えることを決めた。これまで携帯電話の発癌性を証拠付ける論文はなかったが、イスラエルのテルアビブ大学が唾液の検査で、携帯電話のヘビーユーザーには癌を招く危険因子があることを突き止めたためである。 同大学のYaniv Hamzany医師は携帯電話を使用する際、唾液腺の近くに固定するため、もし携帯電話が癌を誘発するとしたら、唾液がその因果関係の有無を教えてくれるのではないか?!との仮説を立て調査を行った。携帯電話を頻繁に使用している人と、携帯を使っていない人の唾液を検査、比較したところ、ヘビーユーザーの唾液は酸化的ストレスのレベルが高く、細胞が有害な過酸化物または遊離基にさらされている状態であることがわかった。 『Antioxidants and Redox Si
土の中などに生息する「線虫」(せんちゅう)と呼ばれる小さな生物のオスは、食べ物よりも異性を探すことを優先していることが東京大学の調査で分かり、研究グループは、ほかの生物にも同じ傾向があるのではないかとみています。 東京大学大学院の飯野雄一教授などの研究グループは、土の中などに生息する体長1ミリほどの線虫が、食べ物と異性のどちらを優先して探しているか調査しました。 その結果、線虫は通常、食べ物がある場所を求めて行動しますが、オスの多くは、食べ物がなくても異性が存在していると考えられる場所に向かって行くことが分かったということです。 一方、メスの機能を持つ線虫については、異性が存在するかどうかに関係なく、食べ物があると考えられる場所に向かって行ったということです。 研究グループでは、オスの行動については、ほかの生物にも同じ傾向があるのではないかとみていて、飯野教授は「生き物に備わっている本能的
赤ちゃんに図形を使っていじめの様子を見せたところ、赤ちゃんはいじめられた側に関心を示すとする実験結果を京都大学の研究グループが明らかにしました。グループでは「赤ちゃんが弱い立場の側に同情的な態度を示した結果で、人は本来、善人である可能性を示唆している」としています。 これは、京都大学大学院の鹿子木康弘特定助教らの研究グループが発表したものです。 研究グループは、ある図形が別の図形を攻撃していじめている様子をアニメ-ションで描き、生後10か月の赤ちゃん20人に見せました。このあと、赤ちゃんにアニメーションと同じ図形を選ばせたところ、80%に当たる16人がいじめられた側の図形を選んだということです。 研究グループでは、弱く苦しい立場の側に同情的な態度を示した結果と解釈できるとしています。グループでは、大人を対象に同じような実験を進めていて、大人では、いじめられた側に同情する割合が少なくなる傾向
» 無線LANの電波はホントに無害? ルーターのそばでは植物が育たないという実験結果が注目される 特集 みなさんの家のインターネット環境はどのようなものだろうか? 無線LANルーターは、パソコンやスマートフォンユーザーにとって欠かすことができないものである。 無線LANの電波は人体には有害だとは言われていない。だが、最近、無線LANルーターのある環境下で行われた実験が注目を集めている。 実験では、無線LANルーターを置いている部屋と置いていない部屋とで植物の発芽状況を観察した。すると、ルーターのそばでは植物の種のほとんどが発芽せず、なかには枯れてしまったものあったというのだ。 ・デンマークの女子中学生が実験 この実験を行ったのは、デンマークの小中一貫校に通う9年生の女子生徒5名だ。彼女らは、携帯電話を枕元に置いて寝ると、よく眠れなかったり、翌日、授業に集中できないことに気がついた。そこでこ
地震による地盤の液状化対策として、細かく砕いた瓦を埋めておくと、地中の水分の上昇が抑えられ、被害を軽減できることが、名古屋工業大学や愛知県の研究機関などの実験で分かり、いらなくなった瓦を再利用することで、比較的低コストの対策になると注目されています。 実験を行ったのは、名古屋工業大学の張鋒教授や、愛知県の三河窯業試験場などの研究グループです。 液状化は砂の地盤で起こりやすいとされ、グループでは、砂を入れた実験装置にマンホールに見立てた筒形の模型を埋め、震度6に相当する揺れを与える実験を行いました。 装置の中が砂だけの場合、筒は砂の上まで浮かび上がってきますが、細かく砕いた瓦を混ぜた場合はなかなか浮かび上がってきませんでした。 グループによりますと、砂の地盤に石を混ぜると液状化対策に効果があることは知られていますが、砕いた瓦は形が角張っているため、粒子と粒子の間の摩擦が大きく、揺れの影響を受
花王は7日、同社ビューティケア研究センターが今回、6カ月間の頭皮マッサージによって毛髪密度の増加および、毛髪弾性(「ハリ」や「コシ」)を増加させることの検証に成功したと発表した。また、マッサージによる毛髪密度の増加と頭皮の定常血流量増加、「ハリ」や「コシ」の増加とキューティクルの厚さにそれぞれ関連があることも見いだしたとしている。 花王では今回の結果から、「頭皮マッサージによって、毛周期の休止期から成長期への移行促進、キューティクル層の肥厚などが起こり、毛髪密度や髪の「ハリ」や「コシ」が高まるという好ましい状態に変化したものと考えられる」としている。今回の成果は、今後のヘアケア製品やヘアケア技術の開発に応用するという。 なお、今回の研究は、第69回日本化粧品技術者会研究討論会(2011年11月30日)で発表している。 花王によると、エイジングに対する意識が高い女性の約7割が、自分自身で頭皮
中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、あるところで、「一部の学会では、学会員の減少に歯止めがきかない」というお話しを伺いました。小さな学会の話ではありません。具体名を出すことは差し控えますが、由緒ある伝統的な学会で、その領域の研究者ならば、誰もが知っているような学会のお話です。しかも、それが個別の学会だけの話じゃない。ひとつの学会が「つまらなくなって」、人がいなくなっているのではなく、いくつもの巨大学会から、学会員が減少する現象が現れているのだそうです。 僕の専門領域では、たぶん、そのような現象がまだ現れていません。むしろ、学会員は大幅増加傾向ですので、少し驚きました。 「学会員減少」が止まらない領域の関係者にとっては、「今さら、何をいってんだか
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