江戸城の天守閣から望む富士山はどんな姿だったのか。古い地図や建築学の研究成果を手がかりに、東京大工学系研究科の清水英範(えいはん)教授(地理情報学)らが江戸時代の景観をコンピューターグラフィックスで再現した。 清水教授らは、天保14年(1843年)に刊行された地図や明治時代の地形データなどから、江戸市中の町並みや、関東平野と富士山の位置関係を推定した。天守閣の高さは寛永15年(1638年)に造営された約58メートルを採用した。 富士山は浮世絵師の葛飾北斎の名所絵などに描かれているが、実際より大きく誇張されている。また、日本橋周辺からの眺めしかなく、江戸城天守閣から、どのように見えるかはわかっていなかった。