肌がまだらに白くなる「白斑」を起こし自主回収されたカネボウ化粧品(東京)の製品の美白成分である「ロドデノール」という物質には、色素細胞に対する毒性があるとの研究結果を、同社の研究所のチームがまとめたことが5日、分かった。皮膚科の専門誌に発表した。 チームは、培養した人間の皮膚細胞を使って実験した。しみの元にもなるメラニン色素が細胞の中で作られる際には、チロシナーゼという酵素が働く。ロドデノールは、この酵素と反応して色素ができるのを邪魔する。だが大量に使うと、この酵素との反応を通じて別の物質ができ、それによって色素を作る細胞そのものを死に追いやる可能性が示された。 カネボウ化粧品によると、白斑が起きるメカニズムの一端が分かったが、なぜ発症する人としない人がいるのかは、不明。「今後も全容解明と治療法確立に向けて最大限努力したい」(広報)という。