「ストレス社会」とも言われる現代において、「うつ病」という言葉の認知度は一昔前に比べると上がってきていると言える。ただ、うつ病の症状や原因などをしっかり理解できている人は多くないだろう。今回はうつ病を発症する仕組みについて桐和会グループの精神科医・波多野良二先生に伺ってみた。 脳内の神経伝達物質の減少がうつ病の原因 誰でも、大なり小なり、ストレスを抱えて生きているものである。仕事での厳しいノルマに悩んだり、結婚相手にいらだちを覚えたり、親からの「勉強しろ」という言葉にうんざりしたり……ストレスの原因は人によってさまざまだ。 そのストレスが、自分の許容範囲(ストレス耐性)を大きく超えている状態が続くと、それがうつ状態に陥る引きがねになる。そして、それがあまりに長期間続くようだとうつ病が疑われる。では、精神科で「うつ病」と診断された場合、それは脳科学の見地からすると、どのような状態を表すのだろ