財務省は、東大法学部出身者の多い役所らしく理屈をこねるのが上手な官庁です。私も内閣官房参与として官邸に行った際、彼らが政治家をうまく説得するようすを見てきました。矢野さんは一橋大学の経済学部ご卒業のようですが、あの論文には、法律家集団である財務省の性格がよく出ていると感じました。 【画像】「MMT理論の根幹は正しい」 「ショッピングや外食や旅行をしたくてうずうずしている消費者が多い」(だから国民は給付金など求めていない)と書くのは、自分の結論に都合のよい人間像を証拠もなく作りあげているだけです。こういったところにいかにも財務省らしいところが出ています 経済は、理屈で勝っても、現実に合っていなければしようがない世界です。いくら政治家を説得できても、現実の経済が違ってしまったのでは話にならない。経済は、実際の人やモノの動きを事実として見つめる必要があり、ときに理屈では説明がつかない局面もある。
