APEC首脳会議の演説で いまや完全な「政敵」と化しているドナルド・トランプ大統領の面前で、習近平主席が2日間にわたって、オンライン上に映った世界の首脳たちを前に、「中国が思い描く世界」について、持論をぶちまけた。 日本時間11月20日の夜遅く行われたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議と、翌21日の夜に行われたG20(主要国・地域)首脳会議でのことである。 「中南海」(北京の最高幹部の職住地)ではいま、「空白の2ヵ月半」ということが言われている。ライバルのアメリカが、事実上「無政府状態」のようになっている2ヵ月半――11月3日の大統領選挙から、来年1月20日にジョー・バイデン新大統領が就任するまでの期間――に、できるだけ世界に攻勢をかけようということだ。 換言すれば、「世界には中国というもう一つの選択肢もありますよ」と迫るものだ。 1発目は、APEC首脳会議。習近席は、画面上に映