何年もコツコツとお金を貯めた末に、筆者は先日、家を買いました。それが友人たちには意外だったようです。「『持ち家派』ではないと思っていた」のだとか。筆者が賃貸住宅の良さは過小評価されているとつねづね主張しているために、そう思ったのだそうです。 自分の家を持つようになった今でも、賃貸の良さが正しく理解されているとは思っていません。でも、だからといって、家を買うのが誤った決断だとも思いません。「持ち家か、賃貸か」という議論は概して無意味です。その2つの選択肢のあいだには、誰も目を向けない、どっちつかずのグレーゾーンが存在しているのです。 「持ち家」か「賃貸」かに、唯一の正解はない 家を買うことはこれまでずっと、経済的成功の指標とされてきました。けれども、リーマン・ショックを引き起こした「サブプライム住宅ローン危機」がその考え方を覆し、家を購入することが必ずしも賢い選択ではないのだと気づく人が増え