ソニーグループと台湾積体電路製造(TSMC)による半導体合弁事業計画について、デンソーが参加する方向で最終調整に入った。トヨタ自動車グループという一大供給先を確保することにより、経済産業省主導で熊本県に先端工場をつくる日台企業連合の大枠が固まった。半導体不足に苦しむ自動車産業の協力を取り付けて、経済安全保障にもつながるサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化の国家プロジェクトが実現に近づく。 ソニーGなどは2021年内にも半導体製造の合弁会社を設立する見通し。出資比率はTSMCが約50%で、ソニーGやデンソーなど日本勢で残りを分担するとみられる。工場建設などにかかる総投資額は約1兆円で、その大半は政府が補助金などにより支援する方向で検討する。 新工場は24年までの稼働開始を目指す。イメージセンサーや自動車に使う回路線幅10ナノ―20ナノメートル(ナノは10億分の1)台のロジック半導体