ふと訪れた旅先の路上に潜む「なにか」に心の眼を凝らし、写真撮影から原稿執筆までのすべてを、自身のiPhoneで完結させる好評連載コラム第23回。 今年5月、サイバースペースでは、欧州とその他とを分けるルールが走り出す。その推進役を担うと見られている人物はベルリンにいる──。 ベルリンが不穏だ。 2017年9月のドイツ総選挙で、与党CDU(ドイツキリスト教民主同盟)は党史上2番目に低い得票率ながら比較第1党となり、アンゲラ・メルケル首相は4期目を死守した。 この総選挙がはじまる前、「あるルール」についてメルケルは「やりすぎだ」と酷評していた。酷評の対象となったルールは、野党第1党SPD(ドイツ社会民主党)のトップであり、2017年1月まで欧州議会議長を務めていたマーティン・シュルツがEUで取りまとめていたものだ。