悪天候をビジネスチャンスに ヨーロッパの電力市場では、悪天候はビジネスチャンスになる。再生可能エネルギーの割合が高まったいま、発電量が天候によって変動するからだ。曇り空が続けば太陽光発電量、風が弱まれば風力発電量がそれぞれ減る。そうなると電力供給が需要を下回らないよう、電力会社は天候に応じて短時間だけ電力を市場で調達しなければいけない。 電力購入ニーズが高まれば、その価格は一時的に上昇する。この価格差を利用し、短時間の電力売買をすることで大儲けしているトレーダー集団がデンマークにいる。米メディア「ブルームバーグ」によると、この業界はここ数年で急成長し、その存在感が急激に高まっている。デンマークの同業界の純利益は2018年に1億ドル(約150億円)だったが、2022年には50億ドル(約7500億円)にまで膨れ上がった。 化石燃料に依存していた頃、電力取引は国有の会社に支配され、卸電力市場価格