第三部は以後、ローゼマインとなったマインが自分を陥れようとした神殿長を更迭する形で新たな神殿長の地位に就き、神官長のフェルディナンドとともに神殿の運営に取り組む。「第二部 神殿の巫女見習い」で関わった孤児院の運営にも携わり、印刷物を作る工房で多色刷りの絵本の制作といった難題にも向き合っていく。 加えて貴族の養女となったことで、貴族社会における権力争いにも巻き込まれていく。これが厳しい。肉親であっても親類であっても、権力に逆らえば断罪される貴族社会の非情さが見え、その非情さがあるからこそ統治も可能といった社会のリアリスティックな有り様を分からせる。 そんな厳しい日々でも、何かを生み出す楽しさを存分に味わおうとしているマインの姿を見ていると、もっと攻めた人生を送ってみたいとも思わされる。貴族社会の一員になったマインは、孤児院へのチャリティとしてパーティーを企画し、その目玉としてフェルディナンド
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