『言ってはいけない』(新潮新書)などのベストセラーで知られる作家の橘玲氏が新刊『テクノ・リバタリアン』(文春新書)を上梓した。同書ではGoogleなどのプラットフォーマーの創業者やブロックチェーンの開発者の多くがリバタリアニズム(自由原理主義)を主張するリバタリアンであり、且つ、彼らは世界を変え得る知的能力も持つ「テクノ・リバタリアン」だという。なぜ日本には彼らのような“天才”が現れないのか。橘氏に訊いた。(前後編のうち前編) *** 【写真を見る】日本の言論空間について語る橘氏 自由で効率的な社会 「テクノ・リバタリアンは自由を重視する功利主義者のうち、きわめて高い論理・数学的能力をもつ者たちだ」(『テクノ・リバタリアン』P33) 橘氏はテクノ・リバタリアンについてそう規定している。そもそも、アメリカではリバタリアン党という政党があるほど、リバタリアニズムそのものが浸透している。リバタリ